収録でちょっとした事件が起きました
――そしてここからの志摩は、どこまでが本心でどこからが演技なのかが本当に分からない、絶妙な芝居が続きますよね。
遊佐 志摩としては元から指令通りに動いているだけなので、とくにこれを境に考えが変わったりしているわけではないんです。ただそんな志摩を受け入れられないという受け手側の気持ちが強いので、結果的に余計に混乱させるのかもしれませんね。もちろんセリフごとにニュアンスのさじ加減は難しいところはありますけど、志摩はある日突然闇落ちしたというわけでもないですから。
――ここまで演じられて、とくに印象深いセリフはどこになりますか?
遊佐 本当にいっぱいあるんですけど、「さじ加減」という意味で印象深いのは2つあって、ひとつは先ほど話した出雲を刺すシーン。もうひとつは第7話で、出雲の使い魔である“御饌津(ミケ) と保食(ウケ)”を消滅させたあとに言う「そぉか…ごめんな」です。ここは詫びの感情が出てもダメなので、ともするとすごく冷たく聞こえるんだけれども…っていう微妙な塩梅で演じましたね。
――出雲役の喜多村英梨さんとの掛け合いはいかがでしたか?
遊佐 やっぱり今回のシーズンにかける気合の入り方はスゴかったですね。僕も負けていられないなと気が引き締まりましたし、同時に「これは絶対にトチれないな」と(笑)。
――お二人のぶつかり合いは迫力満点でした!
遊佐 志摩としては出雲のことを気に入っている気持ちもあるので、彼女に責め立てられるとちょっと苦しそうな表情をするんですよね。ただ志摩としては、出雲の仲間への本音が聞き出せてよかったんじゃないでしょうか? 凝り固まった彼女の心を少しでも解きほぐせたことは、スパイとしてのミッションとは関係なく、彼の中でも収穫だったと思います。まあ、それと引き換えにもらった出雲の平手打ちはかなり効いたみたいですけど。思った以上に真っ赤になっていて(笑)。
――物語もいよいよクライマックスに差し掛かってきました。今後の見どころについてお聞かせください。
遊佐 もう何を言ってもネタバレになるので、難しいですね…。出雲がどうなるのかは一番気になるところですけど、志摩についても……あー言えない。最後まで見届けていただければと思います。詳しくは言えませんが、11話の志摩のとあるセリフの収録時にちょっとした事件が起こりました。それがなんなのか、ぜひ皆さんに見つけていただきたいなと思います。
――最後まで目が離せませんね。
遊佐 でも出雲のほかにも、今回はわりとみんなが辛いですよね。勝呂もずっと元気がない感じだし、燐も人間を倒さなくてはならないという葛藤があるし、雪男は最初からずっとやばいですし(笑)。
――「島根啓明結社篇」だけでは収まりそうもないですね。
遊佐 そうなんですよ。だからぜひとも最後までアニメ化していただきたいですね。ただこれはお願いなんですけど、なんとか僕が生きているうちにやってほしいです。今のところ7年に一回のペースなので、そうなると危ないですよね(笑)。ぜひ早めにお願いします!
■取材・文/岡本大介
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