「阿部(サダヲ)さんは語尾を含めかぎかっこの中をほぼ変えていない」、磯山Pが明かす宮藤官九郎脚本のすごみ<不適切にもほどがある!>

2024/03/14 07:00 配信

ドラマ インタビュー

物語は終盤戦へ、第8話は「市郎さんの今後の生き方が見えてくる」


――ミュージカルパートには衝撃を受けた視聴者も多かったと思いますが、なぜドラマにミュージカルを取り入れることになったのでしょうか?

また「いだてん〜東京オリムピック噺〜」の話になってしまうのですが、ロサンゼルスオリンピックで選手村に行く回で、阿部さんを含む選手団が躍るシーンがあって。宮藤さんに「私も『いだてん』のようなシーンをやりたい!」と相談したのと、映画「RRR アールアールアール」(2022年)を見まして、「劇中で歌って踊るシーンがあるのもいいよね」という話をしていたんです。

阿部さんは大河では踊ってはいるのですが、歌っていなくて…でもバンドや舞台などで歌っている姿もとてもすてきなので、そういうシーンがあった方が阿部さんの魅力がより伝わるのではないかと考えていたら、吉田さんもソロリサイタルで歌を披露されていて。

実はみんな歌がうまいんだなと思い、ミュージカルシーンを入れることになったのですが、そこで宮藤さんが「いっそのことテーマを歌うのはどうですか?」と提案してくださり、結果大事なことは歌で伝えることになりました。

――第6話で初歌唱した河合さんの美声も話題になりました。

実は、ドラマスタート前に「バナナサンド」(TBS系)内の企画「ハモリ我慢ゲーム」に出演いただく予定だったのですが、その際に「歌は得意です」とおしゃっていたんです。結局、番組には諸事情で出演できなかったので、私たちは河合さんの歌声を聞かないままクランクインをしました。

そんな中、第6話で満を持して歌っていただくことになりまして。事前に歌を録音するのですが作曲家の先生も「デビューすればいいのに」とおっしゃるほど上手で…ダンスもうまいですし、多才ですよね。

――最後に第8話の見どころと、読者へのメッセージをお願いします。

第8話は「1回しくじったらダメですか?」がテーマなのですが、一度不倫をしてしまったら許されないのかを描きます。不倫だけじゃないとは思うのですが、世間が受け入れる謝罪や復帰のタイミングって得体が知れないから…。

よく宮藤さんと「あの人は許されて、この人が許されないのは何でだろう」という話をよくしているので、そういうことをドラマでやってみたら面白いかなと思い、選んだ題材です。

そして、市郎としてはそろそろ昭和へ帰らないといけないというタイムリミットが迫る中で、自分がここにいる意味を模索しながら、令和の人に世話を焼いちゃう回。世の中の“許す、許さないの境界線”、そして市郎さんの今後の生き方が見えてくる回です。とにかく楽しんで見ていただけたらと思います!