<異修羅>怒涛のキャラ退場に悲鳴続々 「演出がスゴイ!」芝居と作画に賞賛の声も

2024/03/16 06:00 配信

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テレビアニメ「異修羅」第11話より(C)2023 珪素/KADOKAWA/異修羅製作委員会

弱者のユノが、ダカイに一矢報いる


警めのタレン(CV:朴璐美)は、音斬りシャルク(CV:山寺宏一)に報酬として本物の魔王が倒された場所についての情報を渡す。タレンはシャルクとの会話で、理想を実現できなかった悔しさを認めつつも、敗戦の将としてやがて訪れる死を覚悟する。一方、ダカイに対して無謀な戦いを挑み続けるユノの前には、ソウジロウ(CV:梶裕貴)が現れる。ユノの真の狙いは時間稼ぎであり、事前に飛ばした鏃でソウジロウを誘導していたのだ。こうして修羅であり、ともに客人(まろうど)でもあるソウジロウとダカイの戦いが始まった。

ユノがダカイに対して無謀な戦いを仕掛けた理由が明らかとなり、弱者なりの戦いぶりが初めて功を奏した形となった。逸脱級の盗賊であり、相手の目論見を瞬時に見破ることを得意とするダカイだけに、彼を欺けたことは奇跡にも等しいが、それもこれも圧倒的な実力差があったからこそだ。ダカイはそもそも本気でユノのことを相手にしておらず、気まぐれの遊び感覚であしらっていただけ。ユノはそんなダカイの気持ちを利用したわけで、ダカイからすればまさにしてやられた気分だろう。ダカイがここまで大笑いするのは初めてで、おそらく本心からのものに違いない。

ソウジロウの初撃に対し、絶対先手の魔剣「ラズコートの罰の魔剣」で応じたダカイは、ソウジロウの刀を空中に飛ばしてカウンターの一撃を狙うも、ソウジロウは剣を握るダカイの腕を掴み、剣を振り下ろさせない。次の瞬間、落ちてきた刀を掴んだダカイは無防備なソウジロウの胴体を斬りつけるが、なぜか斬ることができない。ソウジロウの刀は刃が欠けたナマクラで、とても人を斬れるような代物ではなかったのだ。予想外のことに動揺を隠せないダカイに対して、ソウジロウはその手に握っているダカイの剣を、そのままゆっくりとダカイの身体へと沈めていく。こうして修羅で客人同士の戦いは、ソウジロウの勝利で幕を降ろした。

同レベルかに思えたふたりの戦いは、結果だけを見ればソウジロウの圧勝だった。振り返ってみれば、そもそもダカイがソウジロウの刀を警戒した時点で、勝負はあったのかもしれない。ソウジロウはこれまで見せたことのない構えから、どうぞ刀を飛ばしてくれと言わんばかりの突きを繰り出している。最後にダカイが「すべてを読み切っていたのか?」と驚いた通り、おそらくソウジロウは最初からこの攻防の一部始終が見えていたのだろう。ダカイのタレントである「略奪の観察眼」も十分人間離れしているが、こと命の取り合いに関して言えば、ソウジロウの「殺戮直感」はそれをはるかに上回る性能なのだろう。たった一度の立ち会いで勝負が決したこの一戦は、派手さこそないものの緊張感に満ちており、音楽、アクションともに最高の見せ場だった。またダカイが絶命する直前に見せたユノの表情もとても印象的だ。冷たい目に静かなる意思をたたえたその表情からは、ユノの成長や覚悟を感じられる。SNS上では「強者同士の決着は一瞬」、「ダカイめちゃくちゃ強かったのに退場だと!?」、「ダカイ死に顔が良すぎる」などの声が挙がっていた。

さて次回、「第十二話」は3月20日(水)放送予定。期待して待とう。

※朴ロ美のロは、王へんに路

■文/岡本大介

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