瞬間最高視聴率31.1%を記録した韓国の大ヒットドラマ「ペントハウス」シリーズ、人気を獲得し続ける理由に迫る

2024/04/02 12:00 配信

ドラマ コラム 動画

「ペントハウス」より(C)SBS

富裕層の闇を描く「ペントハウス」は、2020年にシーズン1が放送されるとたちまち注目を集め、瞬間最高視聴率31.1%を記録した大ヒット韓国ドラマだ。SBSドラマ賞では最多の9冠を受賞し、シリーズ全体で30冠に輝くという快挙も達成。韓国では2021年2月にシーズン2が、6月にはシーズン3が放送され、動画配信サイト「Hulu」でも「ペントハウス」「ペントハウス2」「ペントハウス3」が全話見放題配信中。そこで本記事では、本作の見どころとともに、人気の理由について解説していく。

社会現象を巻き起こした“マクチャンドラマ”


“マクチャンドラマ(ドロドロした愛憎劇)”の頂点として、老若男女問わず幅広い層から支持を集め、社会現象にもなった本作。ドラマ製作費はシリーズ総額で約32億円にものぼるそうで、出演者によるトーク番組「ペントハウスSP ~隠された物語」では“観ていない人を探すのが大変”と紹介されるほどの人気ぶりを誇る。

そんな本作の舞台となるのは、ソウルの高級住宅地にある100階建ての超高層タワーマンション・ヘラパレス。そこで華やかなパーティーが開催され、100階に住む住人・スリョン(イ・ジア)が、パーティー会場へ向かう途中、マンションから転落する女性を目撃したことで物語は大きく動き出す――。

そして本作では、ヘラパレスに住む子供たちがチョンア芸術高校の声楽科に進もうとするために、蹴落とし合いやいじめなどの問題を起こす“子供サイドのストーリー”と、金や地位・名誉に目がくらんだ大人たちが争う“大人サイドのストーリー”の2軸で展開し、それが複雑に絡まっていく様子が描かれる。

マンションから転落し命を落とした女性を殺した犯人は誰なのか、そして“ヘラパレス”の最上階・ペントハウスに上り詰めるのは誰なのか…目まぐるしい展開は本作の注目ポイントだ。

中毒性の高い“華やかな世界観”と“ドロドロ要素”にドハマりする人続出


長きにわたって多くの人から愛され続ける「ペントハウス」シリーズ。ここまで人気になった理由の一つとして、作中で描かれる“現実離れした華やかな世界観”が挙げられる。

日本にもタワーマンションは存在するが、物語の舞台となるヘラパレスは100階建てで、住人も大手会社の社長、医師に弁護士など華やかな肩書きを持つ人たちばかり。パーティーでは何発もの花火が打ち上がり、会場には大きな噴水やシャンパンタワーも用意され、住人たちはドレスアップをして参加する。

そういった光景が日常生活からはあまりにもかけ離れているため、“どこか遠い別の世界での出来事”と現実逃避しながら憧れの世界観に浸れるのだ。実際にネット上でも、「ヘラパレスがその辺のタワマンとレベチすぎて釘付けになった」「パーティーが豪華すぎて、見てるだけで楽しい」などの声があがっていた。

また本作は、日本のドラマではあまり見られない“ドロドロ要素たっぷりのストーリー展開”にも定評がある。妬みや不倫、過去の確執にいじめ、蹴落とし合いなど、“ドロドロしたもの”をほぼすべて網羅したような作品で、中でも性格の異なるユニ(ユジン)、スリョン(イ・ジア)、ソジン(キム・ソヨン)の3人のメインキャストたちが繰り広げる女同士の戦いは必見。通常の“喧嘩”や“いざこざ”のはんちゅうを超えており、あまりにも現実離れしているのだ。

特に、ソプラノ歌手のソジンと彼女の因縁の相手・ユニのバトルは圧巻。過去にソジンからある理不尽な仕打ちを受けていたユニは、偶然ソジンと再会すると、自身の娘たちも巻き込みながら再度激しいバトルを繰り広げていく。

ネット上では「ソジンの顔が怖すぎる…」「ユニとソジンの喧嘩が中毒性高くてハマりそう」などの声もあがっているため、現実的ではないからこそ、“いいぞ、もっとやれ!”という気持ちも少なからず湧いてくるのかもしれない。