“逃げ恥”担当スタイリストが手掛ける「黒革の手帖」武井咲のファッションテクを徹底解説

2017/08/31 07:00 配信

ドラマ インタビュー

第2話では、武井咲演じる元子がピンクのワンピースで銀座の街を颯爽と歩くシーンが印象的(C)テレビ朝日

着ている服で気持ちに寄り添っていたい


また、第1話での「カルネ」オープン時の白い着物や、第4話で安島(江口洋介)に花束を届けに行くシーンの鮮やかな水色の着物など、ハッキリとした色合いの着物が数多く登場している。派手さのない着物から次第に変わっていくことについて、秋月氏は「最初の頃は抑えた色柄の着物が多く、小物などで明るさや透明感を出すようにしていて、シックだからこそかえって若さが際立つような着こなしにしました。

元子が自信をつけていくとともに次第に服装も強く華やかになってきたので、先程のピンクのワンピースのような、元子の中にある強い色のイメージが着物にも出てくるよう、着物と洋服が全くの別人にならないように気を配りました」と、元子の気持ちの変化も着物の色や柄で表現。

そして、「シックな中に、ときどき目を引くあざやかな水色や黄色のパッと華やかな色をチョイスしているのは、ところどころで顔を出す元子の素の若さや危うさを表現したいと思って。(第5話に登場した)黄色い着物のシーンは、元子の若さが特に暴走しているかも(笑)。相当パワーがないと着こなせない着物なので」と、”通”でないと着こなせない着物を選び抜いたという。

また、元子の心情とともに着ている服もさまざまな表情を見せるが、「元子を演じる武井さんの気持ちがすごく大事。このシーンはこうだから、こういう気持ちだ!というようなことを必ず聞くようにしています。服も武井さんの気持ちと一緒に寄り添える存在でいたいと思っていますね」と亘氏は語り、元子を演じる武井の気持ちを尊重することで、演じる役柄との一体感がより一層生まれたのだろう。

元子の着ている着物から季節の移り変わりを楽しんで


残すところ2話となった本作について、今後のファッションポイントについては「最後の戦いに向かっていく元子なので、華やかでそれにふさわしい、さらに高い服を…と思っています。着ている服によって自分を上げていけるようにしていきたいですね」(亘氏)、

「夏の着物がこんなに出てくるドラマはとても珍しくて、初夏から盛夏、そして秋に向かう季節の移り変わりを感じていただけると思います。第7話からは初秋に入り、着物も帯も重厚感が増していきます。また一段としたたかになった元子なので、ひと癖ある強さを感じさせる着こなしに変わっていきますので楽しんでいただければと思います」(秋月氏)と明かした。

なお、第7話が放送終了する時間までの期間限定で「黒革の手帖スペシャル動画」がテレ朝チャンネルで公開中だ。

最後まで野心のままに突き進む元子は大輪の花を咲かせるのか、それともはかなく散ってしまうのか。元子の着こなしを楽しみつつ、彼女の行く末を見守ろう。