信念を曲げて報復を呼びかける高橋海人“Q”へ、関口メンディー“ドヨン”が「お前は止める側でいろ」と言い放つ<95>

2024/05/14 13:14 配信

ドラマ レビュー

信念を曲げて報復を呼びかける高橋海人“Q”に、メンバーがかけた意外なひと言(C)「95」製作委員会

King & Prince高橋海人が主演を務めるテレビ東京開局60周年連続ドラマ「95」(毎週月曜夜11:06-11:55、テレ東系/Leminoにて配信)の第6話が、5月13日に放送された。“ダセェ大人”にならないように歩く若者たちを、悪意が襲う。過激な行動を取った末の報復ということは明らかだが、誰よりも腹を立てたQ(高橋海人)をいさめるのはチームメンバーたちだった。(以下、ネタバレを含みます)

「95」とは


原作は、「イノセント・デイズ」で第68回日本推理作家協会賞を受賞した早見和真氏が、受賞後第1作目として最大級の熱量で綴った青春小説。大人の作った社会の仕組みにあらがい、大切なものを守りながら、1995年の渋谷をがむしゃらに駆け抜けた高校生たちの熱い物語。テレ東ドラマ初出演・初主演の高橋海人(King & Prince)が、主人公・広重秋久(通称:Q[キュー])を演じる。

さらにQを取り巻く同級生も勢いと話題性のある俳優陣が結集。黙っていても人を引きつけるカリスマ性があり、Qをチームに誘い入れる鈴木翔太郎(通称:翔)を中川大志が演じ、翔と幼なじみでQが思いを寄せることになる岸セイラに松本穂香。明るくムードメーカー的存在の丸山浩一(通称:マルコ)を細田佳央太、暴力団幹部の息子で翔やセイラと幼なじみの堺怜王(通称:レオ)を犬飼貴丈、レオと同じく翔・セイラと幼なじみでけんかが強い新川道永(通称:ドヨン)を関口メンディーが演じる。

翔を襲う暴力と報復を呼びかけるQ


渋谷を舞台にした世紀の花火大会。壮大なQの思いつきを実現させるべく奔走したチームだったが、現実は厳しい。行政からの許可、打ち上げる花火の用意、各商工会などへの根回し…諸々の条件をクリアするには、最低でも年末というスケジュールが必要だった。

このまま夏休みが終わるのか、と夏休み最終日に喫茶店・メケメケで4人だけ集まったQたち。そんななか、翔は手伝っていた親の仕事が終わってフラフラとしていた。そこへ、セイラから「イソガシイ?」とポケベルへ着信。「コヤデマテ イマイク」と返してから、普段の溜まり場・小屋へ足を向ける。

しかし小屋に向かう階段から降りてきたのは、怪しい2人組。暴走族の特攻服を身にまとい、手にはバットと暴力の匂いを強烈に振りまいている。「お前、鈴木か」と明らかに翔のことを探していたようだが、翔にはまったく見覚えがない。「誰だ、お前ら?」と口にした翔。その直後、背後から巨漢がバットを翔に振り下ろした。

強烈な金属音。巨漢は「倒れた」と笑みを見せるが、正面にいた男2人は「バカ、なにやってんだ!」と慌てている。金属バットで後頭部強打は死の危険性もあり、予定にはなかったようだ。しかし翔がターゲット本人であることを写真で確認すると、ともかくも良しとしてその場を後にしようとする。

だが巨漢はよだれを垂らして、尋常ではない様子のまま立ちすくむ。「良いって、大黒」と仲間が言うのも聞かず、大声を上げた大黒はダメ押しとばかりに倒れた翔の右腕を力いっぱいに踏みつけた。

病院に担ぎ込まれた翔。メンバーが駆けつけたときには笑顔を浮かべる余裕もあったが、警察やチームメンバーにした証言は明らかにウソだった。ヘラヘラと、物取りによる事故だから忘れろと言う翔に噛みついたのは、意外にも暴力を嫌っていたQだ。

明らかに渋谷浄化作戦などに対する報復で、チームメンバーを害されたのだと主張するQ。しかし報復への報復は意味がないとして、翔がいさめる。「どうしたんだよ、翔」となおも憤るQを、周囲が止める。

熱くなったQを囲み、場所を移したチームメンバー。「一歩間違えたらアイツ死んでたんだぞ」と怒りを示すQに、改めてレオが「ホンット、翔が気に入るわけだわ」とつぶやく。そしてドヨンが「もしいつかこの中の誰かが暴走しちまうときが来たら…頼む、お前がそれを全力で止めろ」と告げた。

「誰も煮えたぎる熱湯を飲み込んだまま耐え続けることはできねえよ」ドヨンがそう言うと、レオも「ムカついてるのはお前だけじゃないってこと」と本音を漏らす。チームメンバーは決して黙って状況を飲み込んだわけではなく、背景を想像して耐えていたのだ。

ドヨンは苦い表情のまま、「だからお前は止める側でいろ。それが“主役”の役割だ」とだけ言ってその場をあとにする。Qは言葉の意味と、翔やメンバーの気持ちを想像してやりきれない思いで顔をゆがめるのだった。

※高橋海人の「高」は、正しくは「はしごだか」

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