――今回の旅で印象的だったことを教えてください。
東出 路上で飯を食っていたときに見た、地元の子供たちがお祭りの準備する光景かな。
ひろゆき なんか青春でした。1年に1回のお祭りのために、みんなで楽器を弾いたりダンスをしたりして。そしてそのダンスが、男女で手を繋いだりするんですよ。こうやって恋人ができていくんだな~と思ったり、すごくいい雰囲気でした。
東出 あとあれだ! 街を歩いているだけで水風船をぶつけられたりしたのも楽しかった!
ひろゆき そのお祭りで、気になっている女の子に水をかけるという伝統があるらしいんですよ。でもなぜか男の人にもバンバンかけていて…。
東出 まんまと当たりましたね。楽しかったです。
――1年に1回の祭りに参加できるとは、2人とも旅行運の引きがいいですね。
ひろゆき それは僕らじゃなくて、(同行のディレクター)豊川さんな気がします。
東出 殴られたりしていましたよね(笑)。
ひろゆき あれはすごい。エクアドルの中でも比較的に治安が良いと言われる街でタクシーに乗った瞬間に殴られましたから。
東出 引きがいいなんてもんではない。自ら撮れ高を作っていました。
――豊川さんがこの旅のスパイスになっているんですね。
東出 豊川さんは3人で部屋割りジャンケンするときも、一番に勝ってドヤったりするんですよ。「申し訳ない」みたいなことを言っているけど顔はめちゃくちゃ笑っている…。そういう人間的な部分は面白いんですが、旅をする番組なのに調べなさすぎでずさんなところが多すぎるんですよ。例えばボリビアには、崖から車が落ちて何十人も亡くなっているデスロードと呼ばれる悪路があるんですが、僕ら陸路縛りだからそこを行くしかなくて…。地元の人に「オマエたちは死ぬ気か?」って言われて驚きました。
ひろゆき その街の道路にちょこちょこ祠があるんですよ。それってそういうことで…。そういう「本当にここ行かすの?」ということがちょこちょこあります。
東出 普通なら安全を確保するけど、その配慮が全然ない。それがこの番組らしさではあるけど、どうかな?とは思っています(笑)。
――前回のインタビューで、ひろゆきさんは過去完了形を使わないなど、あえて簡単な文法の英語でコミュニケーションを図ったとおっしゃっていましたが、今回はどうされたのですか?
東出 スペイン語を勉強していましたよね。
ひろゆき 着いてから、スペイン語環境の中で少しずつ話したら意外とできるようになりました。それは映像で見たらよくわかるのかも。最初はまったくわかっていないけど、後半になるとなんとなく理解しているので。
東出 話せるのはすごいですよ。僕は「トイレはどこ?」「ビールをください」しか覚えていないですから。
ひろゆき 旅行で話す言葉って大体限られているので、それらを伝える文法を覚えて、あとは必要な単語を当てはめていけば意外とできる。スペイン語って日本語と同じで、主語を飛ばしてもいい言語なんで割とラクなはず。
東出 あと僕が覚えたのは「ドス(2つ)」。これさえあれば、ひろゆきさんが注文したものを一緒に味わえるので。でも話せなくても結構楽しめちゃうんですよね、僕(笑)。
――東出さんの人懐っこさもこの旅の見どころですね。
ひろゆき でも今回、“キモイ”って言われていましたよ(笑)。山岳地帯でディスコに行ったんですが、そこの平均身長は低いんですよ。なのでその人たちから見ると長身の東出さんは気持ち悪かったみたいで…。
東出 こんな断られ方あるんだって驚きました。
ひろゆき まさかの出来事でかなり笑いました。
――思ってもみなかったことを言われるという…。この番組で東出さんの人となりもかなり垣間見られますが、自分を見せることに躊躇がなくなってきたのですか?
東出 躊躇があるかどうかは別として、日常は素直に過ごして、芝居のときは頑張るというスタンスに変わったのが大きいのかも。今は自己責任で全て自分の裁量でやっているので、野に放たれた“能天気野郎”って感じになっています。
ひろゆき でも素を出す必要はないじゃないですか。となるとバラエティーの仕事を今後、受けていったりするの?
東出 生活をさらけ出したいという気持ちはないのですが、今回みたいなのは面白いかなと。生活の軸は崩したくないので、自分なりに線引きしてやっている感じです。
ひろゆき 僕は素を見せたいとか見せたくないとかそういうことを考えないでやってきたんで、なんか面白い。どう感じるかはその人次第って思っているので。
東出 でもひろゆきさんも優しかったりするじゃないですか。高山病で倒れた豊川さんにパイナップルを差し入れしたりとか、カメラの回っていないところでちょこちょこ気を遣ってくれていて。そういうところは逆に見せようとしていないのかな?と思っていました。なんか自分の美徳に反する感じで。
ひろゆき そこまで考えていないけど。いい人かイヤな人か、どう思われようとあまり気にしないんです。
東出 まぁ優しいところもあるし性格が悪いところもありますしね(笑)。それが人間な気もします。
――最後に番組の見どころを教えてください。
ひろゆき あまり見たことがない南米が映っていると思います。ちなみに個人的なことを言うと、旅の中で僕が一番うれしかったのはカカオ豆を包んでいる白い果肉を食べられたこと。現地の人は食べていて美味しいと聞いていたので、どんな味か知りたかった。マンゴスティンのような味がしました。
東出 意外と植物好きですよね。
ひろゆき 現地でしか食べられないものや体験できないことに興味があるんですよ。
東出 それは今回もたくさんありましたね。僕は田舎で出会った人たちとの触れあいが面白かった。空路の旅では味わうことができない、その土地の温かさを感じられましたから。ぜひ楽しんでいただきたいです。
取材・文=玉置晴子
撮影=宮川朋久
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