仲間である青山がAFOに長年苦しめられていたことを知り、「絶対に勝つ」と気持ちを新たにした1年A組の生徒たち。万全を期すため、前回の敵(ヴィラン)たちとの戦いで壊れたコスチュームを直すべくデクと飯田はサポート科を訪ねることに。開発工房のドアに手をかけた瞬間、中から爆発とともに発目明(CV:桜井しおり)が飛び出してくる。下敷きになりながらも、険しい顔のままなデクが面白い。先ほどまでのシリアスなムードが、笑顔溢れる発目の登場で一気に明るい雰囲気となった。
飯田がコスチュームの修理を頼むと、発目はキョトンとした様子で「普段通りアイテム事務所に頼めばいいじゃないですか!」と首を傾げる。現在は死柄木弔(CV:内山昂輝)率いる敵(ヴィラン)の暴走で国は混乱状態にあり、流通も機能していないため、発目の言葉に飯田もキョトン。話がイマイチ噛み合わないのは、発目が外の状況を把握していないからだった。
けれど、ヒーローたちが窮地に追い込まれていることは理解しており、発目は“あること”に没頭していた。“あること”とは、雄英教師のパワーローダー(CV:北沢洋)が開発主任を務める「雄英バリア」の強化。特異な活力と発想で避難発動時の新機構の発明にのめり込んでいた。サポート科の使命はヒーローたちがより多くの人を守れるように試行錯誤すること。「発明がサポート科の“ヒーロー活動”なんです」という発目の頼もしい言葉にデクたちは勇気付けられる。デクと飯田はコスチュームの修理は断られてしまったものの、発目が即急に作り出した類似装備を受け取り、サポート科を後にした。
デクと飯田が戻ると、Mt.レディ(CV:名塚佳織)と1年A組の生徒たちが揃っていた。今はAFOや死柄木ら敵(ヴィラン)の早期発見と掃討が最善策であり、「戸惑い足を止める事こそ相手の術中!」とデクたちを鼓舞するMt.レディ。1年A組は彼女のもと、デク、爆豪、轟焦凍(CV:梶裕貴)を中心に3班に展開し、捜索隊に加わることとなった。
その頃、いくつかの警察署が重要施設であるセントラル病院に拠点を移し、対策本部を立ち上げる。オールマイト(CV:三宅健太)も対策本部に加わり、会議に参加。敵(ヴィラン)を倒すための必須事項として、AFOと死柄木の分断を挙げる。
スターアンドストライプ(CV:朴ロ美)との戦いを見るに、今やAFOを優に超える強さを手にしている死柄木と、複数の“個性”と強さを所持しているAFO。その2人の思考共有がどこまで可能かも不確定な今、揃って出てこられたらヒーロー側に勝ち目はないとオールマイトは踏んでいる。そのため、来たる決戦においては死柄木とAFOを最低でも10kmは引き離すことを目標とした。
だが、荼毘/轟燈矢(CV:下野紘)やトガヒミコ(CV:福圓美里)らが足かせとなる可能性は高い。まずは敵(ヴィラン)たちをおびき寄せ、彼らを分断する必要がある。それには青山の協力が不可欠。しかし、AFOから恐怖の種を植えつけられた青山は怯え、クラスメイトたちから差し伸べられた手を取れずにいた。そんな青山に相澤はあえて「戦え 戦うしかないんだ、おまえは」と圧をかける。彼をAFOの支配から解放するために。
相澤やプレゼント・マイク(CV:吉野裕行)の同期である白雲朧(CV:小野賢章)は死後、脳無に改造され、もう元には戻らない。そのことで血が煮えたぎるほど悔しい思いをした相澤の「惨めで情けなくても 手を差し出してくれた友と歩め」という言葉は重い。まだ青山はやり直せる。恐怖を乗り越え、クラスメイトたちが差し出してくれた手を取れば、対等な仲間として生きていける。
青山が罪に苛まされたまま生きることを許さない相澤の教師としての矜恃に、SNSでは「理想の先生すぎる」「最高の担任で最高のヒーロー」「相澤先生の生徒は幸せもんやなぁ」「漫画でも大号泣してたけどアニメで声ついて諏訪部さんのお声で相澤先生のあの台詞聞けるのずるすぎ…泣いた…」といった声が集まった。なお、アニメ『僕のヒーローアカデミア』では各話で一番活躍した、あるいは印象に残ったMVPキャラクターを視聴者の投票ツイートの結果で表彰しており、第142話では相澤が1位に選ばれた。
※朴ロ美のロは、王へんに路
■文/苫とり子
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