<響け!ユーフォニアム3>「衝撃すぎて感情が追いつかない」合宿で真由が3度目のオーディション辞退を相談。さらに波乱のオーディション結果とは?

2024/05/31 08:00 配信

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アニメ「響け!ユーフォニアム3」第八回よりⒸ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024

麗奈の思いやりにも注目


オーディション後、幹部3人はミーティング。塚本秀一(CV:石谷春貴)は、明日のオーディション発表が部員たちにもたらす影響に不安を漏らすも、麗奈は滝を信じるだけだとこれを否定し、久美子も麗奈に同調する。ミーティングが終わって部屋に戻る際、ひとりで佇む川島緑輝(CV:豊田萌絵)を見かけた久美子たちは、彼女に声をかける。緑輝は後輩の月永求(CV:土屋神葉)から大事な話をされた直後で、「人にはいろんな気持ちがあるんだな」と考え込んでいた様子。明日からはいつも通りに戻るという緑輝に何かを感じた麗奈は、自分がもっていたジュースをあげるのだった。

以前、第四回で求が久美子に話したのは、緑輝が亡くなった姉に似ていること、だからこそ緑輝にはそのことを話せないでいるということだった。このときの緑輝と求が何を話したのかは定かではない。どんな会話が交わされたのかは気になるところだが、深くは詮索しない久美子の気遣いも素敵だ。そしてさらにここでは、麗奈の思いやりにも注目したい。緑輝と求の関係性についてはほとんどなにも知らない麗奈だが、緑輝の気持ちを察し、元気付けるためにジュースを差し出す。しかもこのジュースは滝からの差し入れで、幹部ミーティングでは口にせず大事に取っておいたほどのもので、ただのジュースとは重みが違うのだ。そんな宝物とも言えるジュースを友達のためにスッと差し出した麗奈は、人としても大きく成長しているのだろう。一方、求のほうも奏から(無言で立ち去ってはいるが)ジュースを渡されているなど、ふたりをフォローする周囲の人間の優しさも目立ったシーンだった。

低音パートに衝撃走る! 波乱のオーディション結果

アニメ「響け!ユーフォニアム3」第八回よりⒸ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024


合宿2日目の朝。館内から外の景色を眺めた久美子は、先輩の田中あすか(CV:寿美菜子)のことを思い出し、ひとり「響け!ユーフォニアム」を演奏する。そして朝食後、さっそく昨日のオーディションの結果が発表される。滝の口から選抜メンバーの名前が告げられるなか、最初の波乱は奏の落選だった。ユーフォニアムは久美子と真由の2名のみが選ばれ、逆にチューバは3名から4名体制となった。そしてこの日の波乱はそれだけではなかった。続けてソロメンバーの発表に移ると、ユーフォニアムで名前を呼ばれたのは、久美子ではなく真由だった。

ひとり広場の中央に立ち、「響け!ユーフォニアム」を演奏する久美子のシーンは、シリーズファンなら懐かしい光景だ。久美子が初めて「響け!ユーフォニアム」を聴いたのは2年前の合宿で、この広場で演奏していたのは当時3年生のあすかだった。久美子はこの曲とあすかの演奏に大きな感銘を受け、あすかの卒業時にこの曲を受け継いでいる。そんな特別な曲を、同じく特別な場所で吹く久美子と、その姿を後ろから見つめる真由。2年前のあすかと久美子の動きをなぞるように、久美子と真由が写し出されていく一連のシーンは、今後ふたりがさらに深い関係となっていくことを予感させる印象的なシーンとなった。そしてオーディションの結果発表では、恐れていた展開がついに現実になってしまった。前回の結果発表時は、葉月の初選出に合わせて感動的な演出が施されていたが、今回は一転して緊張感MAX。とくにソロメンバー発表時の久美子と真由のリアクションは作画も芝居も素晴らしい。無意識ながらも「はい」と返事をする準備をしていた久美子は、真由の名前が呼ばれると、一拍置いたのちにハッとする。一方で真由は、静かに目を瞑ってまた開くというリアクション。こうなることを恐れていたようでもあり、分かっていたようでもあり、覚悟を決めたかのように「はい」と低い声で返事をする。短いシーンながらも細かく丁寧に作られており、京都アニメーションの真髄を感じられるシーンとなっている。SNSでも「衝撃すぎて感情が追いつかない」との声があがっていた。

奏の落選と真由のソロ抜擢など、低音パートは波乱とも言える結果となった。これが部員たちのモチベーションや演奏にどう影響していくのか、今後の展開から目が離せない。さて次回第九回は6月2日(日)放送予定。期待して待とう!

■文/岡本大介

アニメ「響け!ユーフォニアム3」第八回よりⒸ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024