<肝臓を奪われた妻>ドラマPが明かす作品に込められた思い「大事に描きたかったのは、復讐のシーンではない」

2024/06/18 06:00 配信

ドラマ インタビュー

伊原さんは、まさに「ダンス部部長」

――伊原さんは連続ドラマ初主演となりますが、起用理由を教えてください

伊原さんの持っていらっしゃる凛とした美しさが、復讐に手を染めながらも、芯にある心の大事な部分は失わないという優香にはぴったりだなと感じました。まだお若く、今までフレッシュな役どころが多かったので、復讐ドラマ、もっと言えば子持ちのシングルマザーという役どころをどのように演じられるか、正直我々にも未知数なところがありましたが、最初の現場での熱演を見て無駄な心配だったなと感じました。

――桑原Pから見て、座長である伊原さんは撮影現場ではどういった印象でしょうか?

まさに「ダンス部部長」! とにかくみんなに気を配る素敵な方で、常に共演者とコミュニケーションをはかり、全力投球を背中で語り、現場を引っ張ってくださりました。息子役の近江くんとは本当の親子のように、空き時間には一緒に踊ったり遊んだりしていて微笑ましかったです。

キャスト陣の裏側「雑談に花が咲いていた」


――戸塚さん、桐山さんも物語にはかかせない人物です。お二人の起用理由を教えてください

戸塚さん演じる小栗健という役は、このドラマにおいてとにかく善の部分を表しています。裏表がなくて「闇落ち」していく優香を、猫背椿さん演じる春美と共に必死で守る役どころで、決してスマートでもなければかっこよくないけれど、間違いなく素敵なヒーローなんです。脚本作りの段階で、コミカルな中にも優しさあふれる魅力抜群の戸塚さん以外、考えられませんでした。

一方、桐山さん演じる中村光星は完全なるヒール。何を考えているか分からないし、気持ち悪さも感じる役どころです。ただ、光星にはそんな人間になってしまった悲しい理由がある。最初から悪い人なんていないと思うんです。圧倒的な王子様的ルックスでありながら、ヒール役にも切ない情緒を散りばめられる桐山さんなら、視聴者からも嫌われない光星になるのではと思いました。

――非常にシリアスな展開も多いですが、撮影現場のキャスト陣の様子はいかがですか?

とにかく皆さん仲が良かったです。切り替えが上手な方が多かったのかもしれませんが、多趣味な方も多く、大衆演劇やサウナ、ラーメンに車やバイクの話まで、至る所で雑談に花が咲いていました。オフの日に一緒に出掛けたりもなさっていたんじゃないでしょうか? もちろん、お芝居に関してもお互いで話し合って演じてくださった場面もあり、皆で良い作品を作り上げようという雰囲気はとてもありがたかったです。