松田美由紀、“ニッポン・シャンソン”の名曲に夫・松田優作を思う「歌いながら自分を癒やしている感覚がある」

2024/06/06 07:00 配信

音楽

クミコ、ソワレ、安蘭けいインタビュー


――収録を終えての感想を教えてください。

クミコ:演歌や歌謡曲、フォークソングの番組はたくさんありますが、シャンソンに特化した番組が実現するとは思ってなかったので、本当にうれしいです。

こういうものもお望みの視聴者の方もいらっしゃると思うので、その方々に届けて、願わくはこれからも続けられるといいと思っています。

安蘭けいクミコさんと、大好きなシャンソンで共演できることが本当に楽しみだったんです。若い頃はシャンソンが大人の世界のように思えて、宝塚時代は苦手意識もありました。

年齢を重ねて、もっと違った感じでシャンソンも聴けるようになりましたし、これから歌うことももっと勉強したいなと思っています。

――ソワレさん、越路吹雪さんとの関係も教えていただけますか?

ソワレ:もともと河合奈保子さんの熱狂的な追っかけで、河合さんが出演されると聞いて、19歳の時に見たフジテレビの「MUSIC FAIR」が、たまたま越路吹雪の特集だったんです。

それまでシャンソンも越路吹雪さんも知らなかったんですけど、見た瞬間に一発でやられてしまいました。越路さんの唯一無二の個性というか、ちょっと変わっている感じに、“ストーン”とハマってしまったんですよね。

シャンソンは大人の音楽だなと思っています。歌詞の世界観が、まだ経験の浅い20代では歌えないような曲がたくさんあります。大人の人たちが聞ける音楽が、シャンソンだと思います。今年は越路さんの衣装展などもあって、生誕100年でいろんなブームが来ているので、ビジュアルの部分からも越路さんのことを知っていただきたいと思っています。

「ニッポン・シャンソン~越路吹雪・銀巴里… 歌い継がれる愛の讃歌~」に出演した(左から)クミコ、安蘭けい、ソワレ(C)BS朝日


――皆さんにとって、「シャンソン」とはどんな存在ですか?

クミコ:シャンソンは“伴走者”ですね。あっちこっちを見ながら、一緒に走っています。今までは、こんな腐れ縁いつまで続くんだと思ったんですが、最近はちょっと仲良くしています(笑)。

安蘭:シャンソンは“憧れ”かな。幼い頃、大人に憧れるみたいな感じで、今この年齢になってもすごく憧れる大人な存在がシャンソンかもしれない。届きそうで、まだ全然届かない。

ソワレ:僕は自分が歌手になるなんて想像もしていませんでした。越路吹雪さんを通じてシャンソン歌手になったんですけど、僕は「シャンソン歌手」ではなく「越路吹雪歌手」という気持ちが強いんです。10代でシャンソンを知って、人生の全てが変わって、今の自分があります。

――最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

クミコ:まだシャンソンになじみのない方もいらっしゃるし、あるいは「ものすごく好き」という方もいらっしゃると思いますが、これからもどうかご贔屓にしてくださればと思います。

安蘭:シャンソンは聴けば聴くほど、どんどん味わいが出てきます。現代の音楽が好きな人たちにはちょっと届かないものがあるのかもしれないですが、そういう人たちにも聴いていただきたい。

シャンソンを知らない人と知っている人では、人生の豊かさが違うと思います。私もクミコさんの公演を見に行っていますが、歌だけではなく、トークがすごく面白い。それは豊かな人生を経験されているからだと思います。私もシャンソンを通じていろいろと学びたいと思っています。

ソワレ:ちょっと昔は、NHKでも民放でもシャンソン特集の番組があったんですが、最近は少なくなっています。シャンソンはロックやポップスとは異なる部分がかなりあると思うんです。リズムもしっかり立っていませんしね。

でもシャンソンはフランス語で「歌」という意味で、なんでもありなんです。だから、可能性は無限にあるんです。僕も、素晴らしい先輩方の背中を見ながら、シャンソン歌手の端くれとして皆様に素晴らしいシャンソンを提供していければと思っています。