<響け!ユーフォニアム3>気まずさが過去イチとなった吹奏楽部。悩んだ久美子が訪ねた人とは……

2024/06/11 19:30 配信

アニメ レビュー

アニメ「響け!ユーフォニアム3」第十回が放送Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024

吹奏楽に青春を捧げ、全国大会での金賞を目指す高校生たちの姿を描いた「響け!ユーフォニアム」(毎週日曜昼5:00-5:25ほか、NHK Eテレ/NHKプラス・Lemino・ABEMA・ディズニープラス・FOD・Huluほかで配信)、シリーズの「最終楽章」となるTVシリーズ第3期。新部長に就任した黄前久美子(CV:黒沢ともよ)は3年生に進級し、部員たちとともに高校最後の大会へと臨んでいく。第十回は、部内に漂う気まずい雰囲気をどうにかしようとする久美子の葛藤を描いた「つたえるアルペジオ」。(以下、ネタバレを含みます)

久美子と滝の会話に、滝の誠実さと不器用さが露わに


オーディション結果を巡って部内に重苦しい雰囲気が立ち込めるなか、高坂麗奈(CV:安済知佳)からも「部長失格」と言われてしまった久美子は、意を決して顧問の滝昇(CV:櫻井孝宏)に質問を投げかける。「どんな音楽を目指しているのか」と問われた滝は、それは難しい質問だと前置きしながらも「結果が伴う音楽」と答える。滝が、部員たちが自ら掲げた「全国大会金賞」という目標を叶えるために、できることは全てやろうと真摯に取り組んでいることに疑いはなく、久美子はそれ以上何も言うことはできない。しかしその日の全体練習の際、ついに部員たちの不満が爆発してしまう。オーディションごとにメンバーが変わることへの困惑、それにより部内の雰囲気が険悪になってしまっていることは誰の目にも明らかだったが、麗奈はこれまで通りの強気な姿勢を崩さないのだった。

冒頭の久美子と滝の会話シーンでは、滝の誠実で真面目な性格が改めて浮き彫りとなった。漠然とした、かつ失礼に当たりかねない質問に対してもはぐらかそうとはせず、極めて真剣に答えていて、だからこそ久美子は「なぜ真由をソリに選んだのか?」という真に聞きたかったことは口にできなかったように思える。さらに、言いたいことを飲み込んだ久美子に何かを感じた滝は、これといった言葉をかけることはなく飴を手渡す。そんな一連のやりとりは、滝の誠実さと不器用さが伝わってくるシーンだったように感じる。SNSでも「久美子ちゃん… 気持ちは痛い程にわかるけれども」などの声があがっていた。