そしてもう一人、この作戦の鍵を握る人物がいた。それは、ヒーロー科1年B組の物間寧人(CV:天﨑滉平)だ。青山の協力と心操の“洗脳”により、AFOを誘き出すところまではクリアしたとする。だが、そこに大量のヒーローたちが待ち伏せていたら、すぐに相手に気づかれて敵(ヴィラン)を一網打尽にする作戦は破綻するだろう。そこで、物間が黒霧の“個性”をコピーし、敵(ヴィラン)が現れたところで、その場にヒーローたちをワープさせたのだ。
かつて「その“個性”じゃスーパーヒーローになれない」という言葉をぶつけられていた物間。一見自信家で、皮肉屋でもある彼の性格はそのコンプレックスの裏返しでもあるのかもしれない。そんな物間に、担任のブラドキング(CV:松田修平)は「この作戦は誰が欠けても成り立たない」と告げる。
「脇役なんていない。これまでもこれからもおまえが主役だ!」
プラドの言葉を裏付けるように、ヒーローたちは一人ひとりの力を集結し、ヴィランに立ち向かっていく。まずは敵(ヴィラン)を分断するためにシステム「誘導牢(トロイア)」で彼らの動きを封じ込め、ワープで日本各地へ小分けに分割。死柄木弔(CV:内山昂輝)は一人、空に浮かぶ雄英校舎に送られる。
名付けて「天空の棺」は、発目明(CV:桜井しおり)が考案した対死柄木用の舞台だ。周りには外に出られないように電磁バリアが張られている上、地面には死柄木の個性“崩壊”の伝播を防ぐための装置が施されている。その資材やエネルギーの供給は八百万百(CV:井上麻里奈)や上鳴電気(CV:畠中祐)ら雄英の生徒たちが担っていた。
さらには右目を失った相澤の“個性”を物間がコピーし、死柄木の“崩壊”を“抹消”する。まさに、誰一人として欠かせない壮大な作戦だ。誰もが主役であることを、ここまで体現した戦いぶりがかつてあっただろうか。
しかし、ある非常事態が起きる。「天空の棺」に移動するはずだったデクが直前でトガヒミコ(CV:福圓美里)に引っ張られ、別の場所へワープしてしまったのだ。
そんな中で、ベストジーニスト(CV:緑川光)やミルコ(CV:木下紗華)が死柄木に立ち向かう。だが、おびただしい数の指が生えた死柄木の手が伸び、ミルコはその一撃をまともに食らってしまった。
そんな第144話の放送後は、SNSで作戦に尽力した心操と物間に「君は私にとって
最高の主役でスーパーヒーローだよ」「敵(ヴィラン)向きの“個性”って言われてた心操くんと脇役の“個性”って言われてた物間くんがって思うと涙止まらんよ」「2人ともプルスウルトラしててすごい!!!」「心躁くんと物間が最高すぎて恋した…」という声が上がる一方、現時点で生死不明なミルコを「ミルコ大丈夫!?大丈夫でいてくれ…!!」と心配する声も上がっている。
■文/苫とり子
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