「ただ悲しいだけではなく、見終わった後に前向きな気持ちになれる」という感想が多く寄せられている点において永瀬は、「秋人と春奈の生きざまが、視聴者にそういう感情を持たせるのだと思います。2人の姿を見て、今の幸せを噛み締めつつ、大切な人とこれからどうやって生きていこう?ということを前向きに考えられる作品だと思います」と述べ、出口は、「前向きな気持ちになれると感じていただいたならすごくうれしいし、自分の自信に繋がりました」と語った。
三木監督は、「最初に企画をいただいて原作を読んだ時に、秋人と春奈をかわいそうではなく、お互いを支えあう2人を『羨ましい』と思いました。そんなまぶしい2人の空気感を映画でも表現したいと思いました」と話し、「それ俺が言いたかったやつ!」と永瀬と出口は揃って三木監督のコメントに賛同した。
本作で初共演となった永瀬と出口。共演シーンで印象的なエピソードを聞かれると、永瀬は文化祭のシーンを挙げ、「あのシーンはすごく手が込んでました!高校時代の思い出はなんですかって聞かれたら『よめぼくの文化祭』だと答えたいくらいキラキラしていました(笑)」と撮影当時を振り返った。
また、劇中では美術部で絵が上手い設定の秋人を演じた永瀬だったが、実際の永瀬の絵心に衝撃を受けたという出口。「永瀬さんは画伯です(笑)。個性的な絵を描きますよね…」と問いかける出口に対し、永瀬は、「目を描くときにどうしても黒目の焦点が合わなくて、ホラーな絵になってしまう…。もしかしたら、本編でぼくの描いた絵が使われているかも(笑)」と場内を笑わせた。
撮影現場の雰囲気について、出口は「お互い人見知りなので最初は全く目すら合わなかった」と振り返り、永瀬も「最初は三木監督が場を回してくれたのでかろうじて話せましたが、2人になったとたん『声かけていいものなのかな…何の話しようかな…』と常に悩んでいました」と撮影序盤の当時を回想した。
しかし、そのもどかしい感じが作品にプラスに働いたと語った監督。打ち解けたきっかけは、お互いの呼び名を決めたことだったという。永瀬は出口を「でぐ」と呼び、出口は初め「秋人くん」と役名で呼んでいたものの、最終的にはフルネームで「永瀬廉」「おじさん」と冗談を言い合えるほど仲良くなったという。