――黒木さんは(取材時には)まだ撮影には参加されていないということですが、現場で楽しみにしていることはありますか?
今は脚本を読んだり、自分の中でのイメージをふくらませたり、準備をしている段階で。やっぱり現場に行かないとわからないことがたくさんあるし、結局は相手の俳優さんと対峙することで初めて生まれることもあると思うで、今はどういう化学反応が現場で起きるのかを楽しみにしています。
――冴木を演じる成田凌さんとは初共演になりますね。
まったくの「はじめまして」ですね。ただ、撮影初日から冴木とのシーンが続くので、そこでいい空気感を作れたら、最後までいい感じで走っていけると思うので、今は初日が勝負かなと思っています。だから、一緒にお芝居をさせていただくのは、すごく楽しみです。
――先ほど「休業宣言はしたつもりはなくて」と言われていましたが、それでも時間は空いているわけで、その間にお仕事に対する焦りを感じたことはなかったのでしょうか?
なかったですね。もともと計画を立てて、そのとおりに動くのが苦手なタイプだったので(笑)。つねに今をよくすることに意識を向けて生きているので、「海外に行っている間に仕事が無くなるかも…」と考えたことはないです。もちろん、戻ってきても居場所がなければ仕事できないですけど、私にとっては自分にとってのベストを選ぶのが一番で、これからもそういうふうにやっていきたいと思っています。
――ハワイでの生活で「視野が広がった」とも言われていましたが、向こうでの生活で学びになったことはありますか?
これはコロナ禍が重なったこともあるかもしれませんが、自分の人生もそうだし、人との関わり方に対しても真摯に向き合う時間だった気がします。東京でお仕事をさせてもらっているときは、つねにせかせかしていて、小走り状態で生きている感じだったので、ハワイでは子育てに集中しつつも、新しい土地で新しい人間関係を築く、という経験をしたのは大きかったと思います。
――やはり日本では“女優・黒木メイサ”として見られてしまうから?
そうですね。でも、それ以上にハワイでは「○○ちゃんママ」ではなく、基本的に個人名というか、ファーストネームで呼ばれるんですよね。自分は「誰かのママ」ではなく、「私は私」という強い主張があるので、私も“自分”を意識するようになりました。もちろん、子どもたちのママであることには変わりがないので、「あなたは何ですか?」と問われたら「あの子たちの母親です」と一番に応えるけれど、そういう環境で過ごすことができたのは新しい刺激ではあったと思います。
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