<僕のヒーローアカデミア>トガヒミコと対峙するデク… デクの微笑ましい恋愛観が垣間見えるも、トガの見せた表情には「切ない」と反響

2024/06/19 18:39 配信

アニメ レビュー

トガのある告白に動揺するデク


デクが飛ばされた場所は、太平洋沖合から約200kmの距離にある奥渡島。ギャングオルカ(CV:松田修平)とその部下が“ニア・ハイエンド”の脳無やムーンフィッシュ(CV:松田修平)をはじめとした“ダツゴク”たちに立ち向かう中、デクは麗日お茶子(CV:佐倉綾音)と共にトガと対峙していた。

トガはナイフでデクに襲いかかるが、ワン・フォー・オール4代目継承者・四ノ森避影(CV:森川智之)の“危機感知”は反応しない。なぜならば、四ノ森が所持していた“危機感知”は自身に迫る脅威や危機を事前に察知する“個性”。トガがデクに向けているのは、純粋な「好意」であるため、“危機感知”が発動しないのだ。

デクが「僕にどうして欲しいんだよ」と問いかけると、トガからは意外な反応が返ってくる。顔を赤らめ、「私の恋人になって」と伝えるトガ。これまで2人は何度か邂逅しているが、トガから直接的に好意を伝えられたことはなく、デクは彼女の思いに気づいていなかった。その瞬間、デクは顔をゆでダコのように真っ赤にして動揺する。息もつかせぬほどの緊張感が続く展開の中でも、プレゼント・マイク(CV:吉野裕行)の「どこまでいっても彼は“クソナード”だった」というナレーションに思わず笑ってしまった。

ただ、「恋人になる」という意味はトガとデクで大きく異なっている。トガにとって「恋人になる」とは相手の血を摂取し、自分も相手の姿になること。対してデクにとって「恋人になる」とは、本人も述べているように「遊園地に行って、手を繋いでクレープを半分こする」ようなたわいもない時間を過ごすことであり、相手を傷つける行為は一切含まない。幼い頃から、オールマイトのようなヒーローになることが夢だったデクは「同じになろうとすることが心を満たすのはわかる」と認めた上で、「じゃあ、なんで心も同じになろうと思えないんだ!」「僕は好きな人を傷つけたいとは思わないよ!」と反論する。

その時、トガはとても悲しそうな顔を浮かべた。幼い頃から両親や他人に散々自分の生き方や考え方を否定されてきたトガ。友達になりたいと願ったお茶子からも「好きに生きて他人を脅かすならその責任は受け入れなきゃならない」と言われ、傷ついたトガはデクなら自分を理解してくれるかもしれないという一縷の望みを抱いていたのだろうか…。トガは「世界が私を拒むなら私も世界を拒む」と決意する。

火の海と化した神野区で対峙する轟兄弟

アニメ『僕のヒーローアカデミア』第145話より(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会


お茶子の背後に回り、その右肩をナイフで突き刺すトガ。そこに現れたのは蛙吹梅雨(CV:悠木碧)だ。蛙吹はトガを蹴り飛ばし、「あなたがすべきは今ここで恋愛話じゃないでしょ」とデクを死柄木のもとへ向かうように促す。さらに負傷したお茶子の「頑張ろう!」という力強い言葉を受け、デクは奥渡島を離れて死柄木のもとに急ぐ。

一方、神奈川県神野区では轟焦凍(CV:梶裕貴)が、エンデヴァー(CV:稲田徹)の相棒(サイドキック)3人と共に轟燈矢/荼毘(CV:下野紘)と対峙していた。だが、凄まじい火力の蒼炎を放つ荼毘に轟たちはなかなか近づくことができない。自分を見捨てた父・エンデヴァーを恨み、復讐を遂げようとする荼毘。しかし、エンデヴァーは群訝山荘跡地でホークス(CV:中村悠一)たちと巨悪オール・フォー・ワン(AFO/CV:大塚明夫)の打倒に当たっている。

父不在の中、火の海と化した神野区で向かい合う兄弟。11年前、己の火に焼かれたはずの燈矢に轟は「生きてたなら、なんで帰ってこなかった」と問いかける。燈矢は己が生き永らえた理由、そして“荼毘”となった経緯を語り始める。

敵(ヴィラン)を掃討するべく日本各地で奮闘するヒーローたちの姿が描かれた第145話。特にトガの“失恋”が大きな話題となり、視聴者からは「デクに否定された時のトガちゃんの表情がしんどすぎて泣いた」「トガちゃん…ほんと切ないなぁ…」「純粋なのよねデクくんもトガちゃんも」「トガちゃんの演技すごかったし作画も原作にめちゃ寄せてて素晴らしかった…!」という声が上がった。

■文/苫とり子

アニメ『僕のヒーローアカデミア』第145話より(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会