シンガー・ソングライターの新山詩織が、9月2日に東京・EX THEATER ROPPONGIにてPREMIUM弾き語りライブ「しおりだけ~ひとり唄~」を開催した。
澄んだ歌声が持ち味の彼女だけに、もともとファンからの要望も多かった弾き語りワンマンライブ。ワンマンライブでのオール弾き語りはこれが初めてのこと。
さらに東京公演のみという、まさにプレミアムな一夜となったこのライブのコンセプトは「秋の夜」。今までデビュー以来リリースしてきたシングル、アルバム収録曲の中から、コンセプトに合わせながら、弾き語りだからこそ伝わる、伝えたいという楽曲を本人がセレクトして構成された。
秋の夜を感じる虫の音が聴こえるSEの中、タイトルを告げる新山自身の声とともにステージに登場したのは、アコースティックギターを抱えた新山。1曲目は1stアルバムからの楽曲「たんぽぽ」でスタート。アコースティックギター1本のみだからこそ伝わる彼女の切なくも力強い声が会場に一気に響き渡る。
歌声とともに白いワンピースの裾が揺れ、弾き語りならではの息遣いが目にも見えるよう。2曲目の「シャボン玉みたいに」が終わると、「ようこそ、新山詩織PREMIUM弾き語りライブへ。今日はひとりだけのライブということで、いつもと違う心地良さを感じています。皆さんも友達の部屋で聴いているような感じで聴いてください」と本人がファンへと言葉を贈った。
そして「つながりを大事にしたい」というメッセージに続き演奏されたのは、昨年リリースのアルバム収録曲でもある、中島みゆきの名曲「糸」のカバー。美しいメロディーと詞を繊細に紡いでいく彼女のボーカルの存在感が、カバーだからこそより際立って感じられる1曲だ。
会場全体がじんわりと温かい空気感に包まれる中、次いで披露されたのは、新山も出演した昨年放送された福山雅治主演の“月9”ドラマ「ラヴソング」(フジ系)の劇中歌「恋の中」。初めての経験となったドラマ出演を通して広がった表現力をいかんなく聴かせた。
今回のステージは“灯り”と“光”でも「秋の夜」を演出。曲ごとに、秋の夜長を過ごす部屋の灯りや秋の清かな月明かり、そして星空のイメージが照明によって表現され、ライブ空間を鮮やかに彩っていた。
ライブも中盤になると、初めての挑戦として鍵盤での弾き語りも初披露。「緊張する」と言いながら、やわらかな鍵盤の音色とともに「Hello」を歌い、アコースティックギターとはまた違った1人だけの弾き語りの魅力を提示した。歌の途中で、会場のファンを促して一緒に歌うという場面も。
そして曲が終わると、ステージにはスクリーンが登場。「普段言えない言葉がある」という新山の語りから流れた映像は、事前にオフィシャルサイトで募集していたファンが普段なかなか伝えられない大切な人への手紙や言葉だった。そのメッセージが、彼女の作詞・作曲の楽曲「名前のない手紙」のBGMと共に映し出された。
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