七苗は、おおば湯の建物が国の登録有形文化財になるのではと思い付く。登録されれば、歴史的価値がPR要素になることに加え、企業が勝手に取り壊せなくなるのだ。
その他、八海が子ども向けのスイーツを考案したり、外国人向けにSNSで発信したり。また商店街を活性化する取り組みも。コウタロウは部下からそれらを報告されると、副社長という立場を忘れてコウタロウの顔になったかのように頬を緩ませた。
そして、再開発計画の2度目の説明会で、「再開発そのものは悪いことではないと思うんです。全部を変えてしまうんじゃなくて、残すところ、新しくするところ、両方あればいいなって」というあつ子の意見に七苗も同意。それは古いものを生かしつつ、新しいものをプラスしたおおば湯のリニューアル経験から得たものでもあった。「ここにしかないもの」が大事なのだと。
そんな気付きを得て、海外に行く松嶋のプロポーズを断ってしまった六月に「答えって、ゼロかイチじゃない」「答えは無限にあって、一番いいカタチを一生懸命考える、そういうのが一番大事なんだと思った」と告げた七苗。しかし、「幸せって何」と六月に問われると答えに窮した。すると、あつ子が「私は私のままでいい。そう思えるってことじゃない?」と言った。
ラストは、七苗が30歳を迎える誕生日。コウタロウが婚約者と破談したと知っても互いに「いまさら…」と連絡とれないままだった2人。だが、芝田悠斗として神戸にいる理由は家族や会社での責任などを捨てることができないからだが、コウタロウにとして住んだ街にしかないものは“七苗”だった。
そんなコウタロウから七苗に「あの場所で」会いたいとメールが届く。すぐに駆け出して会いに行く七苗。「こんばんは、芝田悠斗さん」「こんばんは、大庭七苗さん」というあいさつに始まり、かつてコウタロウが約束した誕生日を祝うことを悠斗としてかなえることに。
歩き出した2人の間には距離があったが、七苗と“コウタロウ”のこれまでの軌跡のシーンが次々と挟み込まれると次第に近づいていった。
おおば湯に戻り、コウタロウを含めてあらためて家族や陽太たちに誕生日を祝福してもらう七苗の姿で終幕。
七苗が9ボーダーのラストイヤーに仕事に恋に奮闘して導き出した幸せ。今の自分のまま向き合う幸せ。それは、あらためてコウタロウとの恋が続くことを予感させる幸せに満ちていた。
SNSも盛り上がり、タイトルがトレンド入り。「ハッピーエンドでよかった」「最後、距離がどんどん近づいていったのよかった」「もう少し2人のイチャイチャ見たかったけど」「コウタロウからのメールがあったところから涙腺崩壊」のほか、六月や葉月の恋模様も描かれ「余韻残して終わるの良い」「みんなの生活が続いていくような終わり方すてき」「三姉妹がゼロかイチじゃなくてその間の感じの終わりもよかった」といった声も上がった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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