ドラマ放送30周年の「古畑任三郎」田村正和×三谷幸喜の黄金タッグが生み出した不朽の名作が令和のいまも“唯一無二”なワケ

2024/06/28 08:00 配信

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レギュラーメンバーだけじゃない、豪華絢爛な犯人役


古畑とさまざまな事件をともにした西村まさ彦演じる今泉慎太郎、石井正則演じる有能な部下・西園寺は、古畑の相棒ともいえるレギュラーメンバー。だが「古畑任三郎」といえば、毎回登場する豪華なゲストもたびたび話題をさらった。

第1シーズン第1回目の犯人役を演じたのは、歌手の中森明菜。自身を弄んだ編集者を窒息死させる作家という刺激的な役どころだ。また第2シーズン第14回には明石家さんまが出演。今泉に殺人罪をなすり付ける弁護士役で、本人さながらの多弁なキャラクターが注目を集めた。ちなみに明石家が出演した第14回のサブタイトルは、「しゃべりすぎた男」だ。

さらに第2シーズン第17回では木村拓哉が時限爆弾を遊園地に仕掛ける犯人役で、第3シーズンの第35回では福山雅治が加害者役を演じた。とりわけスペシャル版となる「古畑任三郎 VS SMAP」では当時人気絶頂にあったSMAP、「フェアな殺人者」ではメジャーリーグに在籍していたイチローが本人役で出演している。主演をはってもおかしくないクラスの役者陣のキャスティングや、芸能界以外の有名人が登場しての推理合戦は同シリーズならではの醍醐味だった。

数多くの刑事ドラマが生み出されるなか、いまなお伝説として語り継がれる「古畑任三郎」。個性的な演出と豪華なゲスト陣の演技は、令和になっても色あせない輝きを放っている。各社からBlu-ray・DVD-BOXが発売され、さらに配信サービスなどでも手軽にアクセス可能。ドラマ放送30周年を迎えた今年、ユーモアとシリアスが奇跡のバランスで両立した名作ミステリーを振り返ってみるのもいいかもしれない。