――今作でピノコを演じられた永尾柚乃さんとはどのように役作りをされていったのでしょうか?
ピノコはとても仲良くしてくれました。お芝居しやすかったです。僕と同じで妖怪が好きだったので、妖怪トークで盛り上がりました。僕も袖の下で妖怪の本を差し上げたりして、だいぶ機嫌良く過ごしてくださったんじゃないかなと思っています。
――改めて、ブラック・ジャックを演じてみてのご感想はいかがでしたか?
不思議と手応えがないんです。まだ(完成版を)見られていないので、どのように出来上がるのかが分からないのですが、楽しみではあります。
――今後もブラック・ジャックを演じていきたいですか?
今後があるかどうかは、僕はいつも考えないようにしています。関係者の方々が「やりたい」と言われたら「へえ」と応えますし、何となくそれには触れないなと思ったら、「もうやらないんだな」と思うことにしてます。
そこに一喜一憂していたくないんです。そのときそのときのお芝居をしっかりやっているので、手応えはなくても「やり切った」ということだけは確かに存在していて。なのでその部分に関しては、僕はあまり考えないようにしています。「あったらいいな」はありますけれど。どの役にしても「できれば寅さんみたいに(長く演じたい)」という思いはあるんです。
俳優は消費の対象なので、ずっと続けられる役があると、ちょっと面白くなったりするんです。それが「ブラック・ジャック」にもあってほしいなと思う反面、それはいろいろな事情があることなので分からないですが、今は割とフラットに捉えています。
※手塚治虫の「塚」、正しくは「点あり」