細田佳央太、“映像化不可能”と言われた怪作で主演 CGシーンの演技は「常に大変でした」<七夕の国>

細田佳央太撮影:森井夏月

CGのシーンも多く「想像力を働かせる必要がありました」


――作品の特色としてCGを使ったシーンも多かったと思いますが、苦労した点はありましたか?

常に大変でした(笑)。山を見るシーンは周りがグリーンバックで、監督が「あの高さに山があって谷があって」ということを説明してくださるんですけど、実際には見えないわけですから想像力を働かせる必要がありました。

またナン丸が作る球体の動きは、最初の頃と最後では速度感が全然違ってくるんです。撮影前に、こんなイメージでという映像を見せていただきましたが、球体をゆっくり送り出すことと操るということは全然違いますから。それに慣れることはできませんでした。

撮影直前には、発泡スチロールの球体を使って助監督さんから「こんな感じで動くから」ということを説明していただきましたが、本番でそれがなくなった時は不安でしたね。

――CG以外で大変だったシーンはありましたか?

夢の中にいるシーンですね。体が浮いた状態なので海で泳ぐような、もがくような感じに見せると
いうことを事前に教えてもらいました。ワイヤーを使ったんですけど、体全身を使った動きがどう
見えるのか。幸子役の藤野涼子さんと一緒の時は距離感をつかむのが大変でした。

――ナン丸が超能力を使うときに発する「ちょわぁぁぁ!」の再現力が高いとお聞きしました。

本読みの時に固めることができましたし、クランクインの最初のシーンが「ちょわぁぁぁ!」だったのでたくさん練習しました(笑)。口の形も原作に寄せています。現場でも「面白い」と言ってもらえましたが、あらためて自分の芝居を見るとこっ恥ずかしいですね。

――4話までご覧になっていると仰っていましたが、どのシーンが印象に残っていますか?

すごくうさん臭いなと思ったのはセミナーのシーンでした。金田(哲)さんの怪しい感じが面白いなと。妙な説得力があるんですよ。能力の使い方を何も分かっていないナン丸とは対照的にお金儲けとして宗教団体みたいなものを作っている八木原。あの見せ方は個人的にツボですね(笑)。

「七夕の国」第1話より(C)2024 岩明均/小学館/東映

七夕の願いは「これからの3年間は絶対に体調を崩したくない」


――作品のタイトルにちなんで、七夕の短冊にどんな願いを書きたいですか?

仕事という意味では「七夕の国」の配信が七夕の頃ということで「たくさんの人に見てもらいたい」と書きたいですね。

個人的には、今年前厄なので「これからの3年間は絶対に体調を崩したくない」と、かなり本気でお願いしたい(笑)。仕事柄“厄払い”ができないので。先輩からも気を付けたほうがいいよとアドバイスをいただきました。しっかりと体調管理に務めたいと思います。

――劇中でナン丸はいろいろな人たちと出会いますが、これまでの俳優人生の中で運命的だったなと思う出会いはありますか?

代表的な作品という意味では、映画「町田くんの世界」とドラマ「ドラゴン桜」。本当にありがたいなと思っているのは、この2本を含めてどの作品も自分にとっては運命の出会いですし、いい経験をさせてもらっているなという実感があります。作品もそうですし、共演者の皆さんやスタッフの方たちに恵まれているなと。それがずっと続いている感じです。

――今回の作品でも新たな細田さんが見られそうですね。

そうですね。このドラマは原作を知らない人が作品の世界観に入りやすいように模型などを使って分かりやすく作られています。2話から最終話まで球体の謎を解き明かしていく物語が展開されますが、そこを丁寧に描くために1話がテンポ良く進み、スムーズに次の話に入っていける構成に。

謎の球体は人を殺めたり、物質をえぐったりするので視覚的にもインパクトがあるシーンが出てきますし、CGを使ったSF要素も詰め込まれています。ディズニープラスでの配信ということで国内だけではなく世界中で見られると思うので、エンタメ作品としてたくさんの方に楽しんでいただけたらうれしいです。

「七夕の国」(全10話)は、毎週木曜にディズニープラスのスターで独占配信中。次回は7月11日(木)に第4話が配信される。

◆取材・文=小池貴之

南丸洋二のキャラクタービジュアル(C)2024 岩明均/小学館/東映