神谷浩史、切実な願いごとは“健康第一”「声優殺すにゃ、刃物はいらぬ。風邪のひとつも引かせりゃいい」名フレーズを披露

2024/07/08 13:25 配信

映画 アニメ 会見

映画「劇場版モノノ怪 唐傘」完成披露舞台挨拶(C)ツインエンジン

映画「劇場版モノノ怪 唐傘」(7月26日[金]より全国公開)の完成披露試写会が7月7日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、声優を務めた神谷浩史黒沢ともよ小山茉美、監督の中村健治、プロデューサーの山本幸治が登壇した。

17年の時を経て劇場版となった「モノノ怪」


本作は、高視聴率を記録した「怪~ayakashi~」(2006年、フジテレビ系)の一編「化猫」から派生し、2007年に放送されたテレビアニメシリーズ「モノノ怪」の劇場版。謎の男・薬売りが、人の情念や怨念が取り憑いたモノノ怪による怪異を鎮めるため、諸国を巡る物語。

CGと和紙テクスチャーを組み合わせた斬新な手法で生み出された絵巻物のような唯一無二の世界観と、薬売りのミステリアスな魅力は視聴者を惹きつけ、放送以来根強く愛されている。17年の時を経て劇場版となり、男子禁制・豪華絢爛(けんらん)な大奥を舞台にした新たな物語が展開される。

7月26日(金)全国公開の映画「劇場版モノノ怪 唐傘」ティザービジュアル(C)ツインエンジン


神谷浩史「まだまだ台本の読み込み方が甘かったと思い知りました」


この日は六本木の会場の他に、池袋、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡の7か所でライブビューイングが行われた。神谷、黒沢、小山、中村監督、山本が涼やかな浴衣姿でステージに登場すると、会場から万雷の拍手が起こった。

山本は「1年の公開延期がありましたが、ようやく完成しました」と感無量の面持ちであった。シリーズの生みの親である中村監督は「支援の輪が広がったことによって、ビジネス、クリエイティブの面でもいろいろな方々が集まってくれた。作品が大きくなるきっかけをいただいた」とクラウドファンディング支援者に感謝を伝え、さらに「皆さんに観ていただけることが本当にうれしい」と喜びをかみ締めた。

主人公である謎の存在・薬売り役を演じた神谷は、「1カ月くらい前に、監督が『これからまだ1300カットくらい直します』とおっしゃっている段階のものを観た。本作は全部で、2600カットある。90分のアニメーションのカット数としては、ちょっとどうかしている」と舌を巻いた。

続けて神谷は「取り憑かれたように3回連続で観ました。1回目は映像に圧倒され、2回目は細かいところまで観ようと思ったのに、いつの間にか時間が過ぎていた。それくらい濃密」とこだわりの詰まった映像に惚れ惚れした様子を見せた。さらに「3回目は、台本を見返しながら鑑賞して。そこで、台本にありとあらゆる答えが詰まっていることに気づいた。本作に携わって、僕はまだまだ台本の読み込み方が甘かったと思い知りました」と台本の完成度に驚きつつ、声優としても刺激をもらったことを明かした。

中村監督は、神谷の薬売り役に「深く納得がいっています」と笑顔を見せた。薬売りは変身する前と後で違った表情を見せるが、中村監督は「変身した後の薬売りについて『特にイメージがないけれど、変えてほしい』とお願いをして(笑)」と具体的な指示をしなかったものの、「本番は一発OKだった」とその演技のすばらしさを称えた。

また中村監督は、薬売りというキャラクターの設定についても説明。テレビシリーズを始める際、「作中の退魔の剣は64本あり、薬売りもそれに合わせて同じ数だけ存在するという設定を作った」と裏話を口にしていた。

神谷浩史(C)ツインエンジン