“ブレーク必至”細田佳央太、新人俳優時代から異彩を放つ存在感「七夕の国」では“等身大”の大学生を爽やかに好演

2024/07/14 11:10 配信

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細田佳央太が演じるナン丸(C)2024 岩明均/小学館/東映

「高校生の妊娠」をテーマに放送中のドラマ「あの子の子ども」(毎週火曜夜11:00-11:30、フジテレビ系)では、恋人の妊娠に悩み、葛藤する少年・月島宝を丁寧に演じている細田佳央太。2025年前期の連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合ほか)へのレギュラー出演も決まっており、さらなる飛躍が期待されている若手注目俳優の一人だ。そんな細田が主演を務めるドラマ「七夕の国」(ディズニープラス)では、物に触れずに小さな穴を開けるという“役に立たない超能力”を持つ大学生・南丸洋二(通称:ナン丸)を演じ、自然体でありながらも緩急のある演技に注目が集まっている。今回は本作での演技に着目しつつ、“ネクストブレーク俳優”に挙げられることも多い細田のキャリアを振り返る。


1000人超えのオーディションで射止めた主演の座


現在22歳の細田は小学生の頃から芸能活動を始め、16歳の頃には1000人以上の応募者の中からオーディションで勝ち抜いた映画「町田くんの世界」(2019年)で主人公・町田一を演じた。芸能事務所には所属していたものの、当時演技の経験は浅い無名の新人だった細田は、同作の監督を務めた石井裕也氏が「オーディションで一人だけ異彩を放っていた。組めば間違いないと16歳(当時)の彼に思わされました」と絶賛するほどの存在感と魅力にあふれていたという。共演の高畑充希、戸田恵梨香、仲野太賀、池松壮亮ら主役級の演技派俳優たちのそろった座組で見事に座長を務めあげた。

また阿部寛主演の大ヒット学園ドラマ「ドラゴン桜」(2005年、TBS系)の続編で、15年後を舞台にしたドラマ「ドラゴン桜2」(2021年、TBS系)では、ある問題を抱える心優しい高校生で東大専科クラスに所属する原健太を好演。

以前から「日曜劇場」出演を目標にしていたという細田は、見事にオーディションで役を勝ち取り、劇中では人生初の丸刈り頭でイメージを変え、体重も約12kg増力するなど徹底した役作りで撮影に臨んだと明かしている。以前から細田を知っている人にとっては外見のギャップも驚いただろうが、彼の繊細な演技力に多くの視聴者から称賛の声が寄せられた。

一方、同年公開された映画作品でも細田の演技力が話題に。坂元裕二が脚本を手掛け、菅田将暉と有村架純がダブル主演した恋愛映画「花束みたいな恋をした」では、大学生の水埜亘役として出演。

細田が登場する場面は、山音麦(菅田)と八谷絹(有村)カップルが自分たちの恋愛に終止符を打つために立ち寄ったファミレスで、大学生同士の羽田凜(清原果耶)と亘(細田)が、麦と絹が5年前に出会った時のような屈託のない会話を繰り広げるというわずかなシーン。純粋にその場を楽しむ凜と亘の会話は、彼らとは対極であり、また見る者の感情を大きく揺さぶる場面でもあり、作品内で印象に残る名シーンとして挙げる人も多い。

その後もドラマ「もしも、イケメンだけの高校があったら」(2022年、テレビ朝日系)では連続ドラマ初主演に抜てきされ、イケメンばかりの同級生に囲まれる主人公・池田龍馬を演じ、翌年放送されたドラマ「ドロップ」(WOWOWプライム)では、それまでの爽やかな青年役から一転し、赤髪のヘタレヤンキー・信濃川ヒロシを熱演するなど、“ブレーク必至”の俳優として確実に成長し続けている。

細田佳央太※2024年ザテレビジョン撮影

細田の自然体な芝居に注目が集まる最新作


そんな細田の主演最新作「七夕の国」では、ごく普通の大学生だが“役に立たない超能力”を持つ青年という一風変わった役柄に挑戦中。

同作は、「寄生獣」で知られる漫画家・岩明均による同名コミックを実写化したもので、ミステリアスかつショッキングなグロ描写も多く登場する中、主人公・ナン丸を中心に不気味な超常ミステリーの物語が繰り広げられている。CGを駆使した怪奇現象に注目が寄せられると同時に、ナン丸とほぼ同年代で等身大のキャラクターを演じる細田の演技にも注目が集まっている。SNS上でも視聴者から「ナン丸君の絶妙な大学生感も素晴らしい」「キャラクターが良くて和む」などと、称賛の声も多い。

物語は閉鎖された村のしきたりやナン丸をはじめとした彼らの超能力、そして冒頭で描かれた戦国時代の丸神の里の様子など、時代を交差しながら多くの謎がちりばめられている。7月11日に配信された第4、5話では、自身が球体を操る能力者“手がとどく者”であることを知ったナン丸が、まだ使いこなせていないその能力を高志に引き出してもらうものの、セミナーの講師として金儲けに利用されたことにショックを受け、能力の使い道について考えて始める展開が描かれた。

既に何度も主演を経験しており、“ネクストブレーク俳優”と呼ぶにはもはや失礼かもしれない細田。主演だけでなく脇を固める時に存在感を発揮する印象もあり、どんな位置でも輝けるところが今のドラマ・映画に引っ張りだこな理由だろう。「七夕の国」のナン丸役を契機にさらなる飛躍が期待される細田の演技を堪能しつつ、独特の世界観にどっぷり浸かってみては。

なお、「七夕の国」(全10話)は毎週木曜にディズニープラスのスターで独占配信中。次回は7月18日(木)に第6、7話が配信される。

◆文=suzuki

「七夕の国」第5話より(C)2024 岩明均/小学館/東映