キム・スヒョンが主演を務める韓流ドラマシリーズ「太陽を抱く月」(Huluにて配信中)。権力をめぐって陰謀が張り巡らされる朝鮮王朝の宮中で、運命に導かれるように恋をした2人のラブストーリーを描いた大人気ドラマシリーズだ。第2話では、主人公であるイ・フォン(子役:ヨ・ジング)とヒロインであるホ・ヨヌ(子役:キム・ユジョン)がゆっくりと他者を介して相手を知っていくようすを振り返る。(以下、作品のネタバレを含みます)
イ・フォンからの謎かけを解き、彼が世子(セジャ、国王の正式な後継者)であることを知ったホ・ヨヌ。茫然と夜空を見上げていると、かすかな物音が響く。音のした方を確認しに行くと、そこには書置きの手紙と「解憂石」と書かれた石が残されていた。書置きにはホ・ヨヌが眠れていないようすを心配する旨や、旅の土産であるという解憂石について「悩みを話せ。この解憂石が代わりに悩んでくれる」とユーモラスな文章がしたためられていた。書いた主に心当たりがあるようすのホ・ヨヌは、「またここへ?先日、きつく申し上げたのに」と困った表情を浮かべる。
場面は移り、2人の青年が木刀を手に稽古するシーン。決着がつくと、「さすがジェウンだ」とホ・ヨム(子役:イム・シワン)が相手をたたえる。修練を重ねても自分には素質がないようだと語るホ・ヨムを案じるキム・ジェウン(子役:イ・ウォングン)だったが、そこにヤンミョングン(子役:イ・ミノ)がやってくる。友人である3人は、長旅から帰って来たヤンミョングンの土産を手に酒を飲みかわす。
ヤンミョングンはホ・ヨムの妹であるホ・ヨヌに会おうとして忍び込んだことをたしなめられつつ、それを聞いた寡黙なキム・ジェウンが笑みをこぼすなど、3人の仲の良さが伝わる一幕も。科挙に合格したホ・ヨムとキム・ジェウンが、今後は世子であり自身の異母弟であるイ・フォンに仕えることを祝うヤンミョングン。話題が尽きないようすの3人は、夜を楽しく過ごすのだった。
一方、世子であるイ・フォンは新たな侍講官(君主に学問を講義する役割を持つ者)についての報告を受けていた。候補者のリストを持って来たという側近のヒョンソンだったが、彼が候補者の名前を読み上げる前に次々と言い当てていくイ・フォン。大王大妃(テワンテビ)・ユン氏(キム・ヨンエ)の意向で候補者が選ばれるだろうと判断し、見事的中していた形だ。
そんななか、まだヒョンソンも知らない新任の文学(ムナク)が来ると聞いたイ・フォン。「誰であろうと権力を欲する老人だろう」と辟易したようすを見せるものの、「私の選択肢はただ1つ。拒否権を行使する」と新任の文学がどこまで耐えられるか試すことに決める。しかし彼の前に着任したのは、科挙の文科を主席合格し文学となったホ・ヨム。ホ・ヨヌの兄にして、イ・フォンが後光を幻視するほどの美貌の青年だった。
拒否権を行使すると語っていたイ・フォンだったが、現れた文学ホ・ヨムが発する雰囲気に圧倒されてしまう。ホ・ヨムは容姿や学問だけでなく性格も優れており、彼を知る者はみんな「理想的な博学者だ」「魔性の博学者」と呼ぶ。しかしイ・フォンはまだ17歳と年若いホ・ヨムを「若いのにいい後ろ盾がいるな」と認めない。彼の背後にユン氏がいると思い込んでいるのだ。
その夜、ホ・ヨムは普段通り妹であるホ・ヨヌに本を読む時間がやってくる。普段通りに振舞っていたはずだが、妹にはあっさり悩んでいることを見抜かれてしまう。そこで文学として仕えるイ・フォンから誤解を受けていることをホ・ヨヌに打ち明けたところ、ホ・ヨヌはある方法を提案するのだった。
翌日、ふたたびイ・フォンのもとへ訪れたホ・ヨム。前回と変わらず学ぶ姿勢を持たないイ・フォンを前に何もしないまま時間が過ぎたところで、ホ・ヨムは「今日はここまでにします」と告げる。それを受けたイ・フォンは「あさましいやつだ。何も働くことなく報酬を得ているのだからな」となじるのだが、ホ・ヨムはある謎かけを持ちかける。「正解なさったらお望み通り私は職を辞します。ただ逆に世子様が正解できなかったら…」「師への礼を尽くし、勉学に励んでください」ホ・ヨムの提案に、イ・フォンは「いいだろう」と頷く。
ホ・ヨムから出された問題は、「万物を一瞬で照らし、一瞬で暗くできるものはなんでしょう」というものだった。「簡単だな」と嘲るイ・フォンに「難題です」と念を押すホ・ヨム。「お前にはな」と一蹴するイ・フォンへ、次回の授業で答えを聞くと念を押してその日の授業は終了する。
しかし自信満々な言葉とはうらはらに、イ・フォンは大いに迷っていたようだ。書庫から大量の文献を取り寄せて一心不乱に答えを探るイ・フォン。プライドにかけて奮闘する彼のもとへ、妹であるミナ王女が訪れる。珍しく勉強しているイ・フォンの姿に驚いたミナ王女は、謎かけの話題を知る。そこで「まぶたでは?」と考えを披露したミナ王女だったが、イ・フォンは「なんと子どもじみた発想だ」と聞く耳を持つことはなかった。
答えを発表する授業の時間がやってくる。イ・フォンが答えたのは「君主の政治」。「君主は政治において誠意と徳を尽くし、調和を重んじると天地万物・民衆の生活は明るくなる。逆の場合、それは暗くなるから」と語るイ・フォンに、ホ・ヨムは不正解だと告げる。
いきどおるイ・フォンだったが、ホ・ヨムが答えた正解は「まぶた」。ふざけているのかと声を荒げるイ・フォンに、ホ・ヨムは「幼子の目で見れば万物は問題になり、また解答になるのです」「勉学における注意事項…それは正解を知っているという高慢さ、また自分勝手に都合よく判断する偏見です」と告げる。そしてさらに、「それらにより、世子様の目と心が塞がっていると悟るべきです」と強烈な言葉を進言した。
君主の政治ももっともであるとしながら、まぶたを閉じたまま語れることはない…そう言って、まずは勉学への姿勢を整えるべきだと説くホ・ヨム。諫言を受けたイ・フォンはついにホ・ヨムを師として認め、これまでの非礼を詫びる。
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