「中居君、木村君、剛と慎吾に挟まれて、昔だったら俺も同じところにいたんだけど。真ん中にいるって大変だと思う。だけど吾郎ちゃんがいるからSMAPはSMAPでいられると思うよ」
2014年放送の「武器はテレビ。SMAP×FNS27時間テレビ」(フジテレビ系列)で、元メンバー森且行が稲垣に宛てたメッセージだ。
デビュー当時からグループ人気を牽引してきたツートップ(木村と中居)、年下でキャラが確立しやすいしんつよ(香取と草なぎ)。稲垣は中間管理職と呼ばれていたように、両者の間を繋ぐポジションにいた。
その立ち位置は、個人の仕事にも生かされていた。稲垣は、95年から『週刊プレイボーイ』(集英社)や『コスモポリタン』(現・ハースト婦人画報社)でエッセイの連載を持っていた。男性アイドルが執筆活動をするのは当時としては珍しいこと。『an・an』(マガジンハウス)でも映画を紹介する「稲垣吾郎シネマナビ!」を担当。
著者をゲストに招いて書籍を紹介する「ゴロウ・デラックス」(TBS系)では、読んだ感想を語ったり裏話を聞いたり。朗読を交えながら本の魅力を伝えている。
はじめは興味が湧かなかった作品も、番組や稲垣をきっかけに手にした人も少なくないだろう。自らが筆者であり読者、演者であり視聴者と、どちらの視点も持つ稲垣だからこそ成せる業だろう。