二宮和也“天城”、竹内涼真“世良”とのコンビプレーで成功確率0%の難オペで奇跡を起こす<ブラックペアン>

2024/07/27 19:36 配信

ドラマ レビュー

企業組合の理事が、天野のセンター長の取り消しを要求


天城は、公開手術の患者の選定を始め、新病院への出資などの取りまとめを行っている企業組合の理事・水野(梅沢富美男)にダイレクトアナストモーシスの手術を受けるように提案する。しかし、水野は病院長の佐伯と対立している維新大学心臓外科教授・菅井側の人間で、菅井と手を組んでいる高階に手術は任せると言って、天城の提案を跳ね除けた。

それだけでなく、手術をする代わりに全財産の半分を要求する“賭け”を提案されたと言って、天城がセンター長になることの取り消しを、逆に要求されてしまう。

天城が水野に手術の提案をする前に、数少ない味方の一人である世良が、天城に公開手術の患者候補として狭心症と認知症を患う年子(正司花江)を提案していた。しかし、天城に「無理だ」と断っており、その理由を世良は年子が“生活保護受給者”だからだと思っていた。しかし、そうではなかった。

生活保護受給者の手術を断ったのは“金”が理由ではなかった


いろいろな妨害工作もあり、天城の公開手術の患者はなかなか決まらなかったが、「バカンスに行ってくる」と言って、ある場所を訪れた後、病院に戻った天城は、「僕がオペをします。ただ、公開手術にはなりますけど」と、生活保護受給者の年子の手術を担当することを宣言。

天城が「無理だ」と言って一度断ったのは、生活保護受給者だからではなく、年子の病歴を見ての判断だった。病歴からダイレクトアナストモーシスは無理だと思った天城は、治験コーディネーター・椎野に血中酸素濃度を維持する治験薬の一酸化炭素合成剤を依頼。その手筈が整ったので、年子の手術を受けることを決めた。ただし、治験薬の効果は30分しかない。

天城と世良のコンビネーションで成功率0%のオペに奇跡を起こす


30分というタイムリミットでは到底不可能な手術。しかし、天城にはもう一つの秘策があった。それは“世良”だった。「このオペが成功する確率はこのままだと0%だ。だから今回のオペは君にも執刀してもらう」と、世良に協力を要請。

2人が同時進行で行った「ミックスオフポップダイレクトアナストモーシス」は、胸の真ん中を切らず、さらに心臓を動かしたまま人工心肺を使わずにダイレクトアナストモーシスを行うこと。心臓部分を天城が、胸部の開閉を世良が担当し、時間の短縮を実現させていく。

緊迫感のある中、心臓部分の手術が無事成功し、あとは世良の閉胸作業のみ。時間が迫る中、糸が切れてしまう不測の事態が起こるが、天城はこういうことも予測していたのか、予備の糸を世良にスッと差し出し、時間ギリギリで閉胸作業が終了した。

信頼関係が築かれたからこそ、成功したオペと言えるだろう。まさに名コンビ誕生といったところ。オペ後、世良に袋を渡して、会場で寄付金を集めさせたところにも天城らしさが感じられた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部