一方、爆豪もまだ諦めていなかった。環が放った「混成大夥 波動砲(プラズマキャノン)」は死柄木を直撃するも、致命打とならず、再び増殖し始めた触手によってBIG3は追い詰められていく。そんな中、死柄木にふらつく足取りで近づく爆豪。ベストジーニストが「ダメだ行くな!!」と制止するが、次の瞬間、爆豪は目にも止まらぬスピードで死柄木に攻撃を仕掛けるのだった。
掌の汗腺からニトロのような汗を分泌し、それを自由に爆発させることができる爆豪の“個性”「爆破」。汗を溜め、玉として放出する必殺技「クラスター」は掌の腺に多大な負担を強いるため、汗の玉は“別の出口”を求めて体中から漏れ出す。結果、全身が爆発を起こし、攻撃のスピードとパワーが格段に上がったのだ。だが、その反動を爆豪の体も受けることとなる。爆豪は体中の痛みを感じながら、デクがオールマイト(CV:三宅健太)から「OFA(ワン・フォー・オール)」を継承した直後、力を制御できずに指を何度も折っていたことを思い出していた。
「なァ出久」「俺まだおまえに追いつけるかな」と心で語りかける爆豪。最初はデクが爆豪を追いかけていたのに、いつの間にか爆豪がデクを追いかけていた。その事実を受け入れられない時もあったが、今は違う。デクに追いつこうと手を伸ばした瞬間、焦った死柄木が攻撃を放つ。眩しい光に包まれた爆豪は、心象世界でオールマイトと対面。幼い頃から憧れのヒーローだったものの、デクとの関係もあり、素直になれたかったオールマイトに「サイン欲しかったんだよなぁ」と少し照れながら伝える爆豪の表情や声があまりにも優しくて涙腺が刺激された。
だが、次の瞬間に爆豪は吹き飛ばされ、彼の血で汚れたオールマイトのカードが無残にも地面にはらりと落ちる。その頃、爆豪の両親は気温の急激な変化を伝えるニュースを見ながら、「あの子雨嫌いなんだよねえ」と呟いていた。「Light Fades To Rain(光が雨に消える)」という悲しいタイトルがつけられた第149話。爆豪が「MVヒーロー」#ヒロアカMVPに輝く一方、視聴者からは「かっちゃん…嘘だよね…？」「あのかっちゃんが死ぬはずない」「無事でいてほしい」と心臓に大きなダメージを受けた彼の安否を気遣う声が上がっている。
■文／苫とり子
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