三上博史、インパクト絶大…“異形の能力者”として本格登場 緊迫の場面を制する圧倒的存在感<七夕の国>

2024/08/02 19:10 配信

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里に伝わる七夕祭りと旗の謎が明らかに


丸神教授は、里を代表する当代として、頼之を始末すればそれで終わりという警察&武装集団に頼之のことは協力するので信じてほしいと頼む。ただ、「説得で済めば…」に続いて、「また私たちは捨てられようとしている」とのつぶやきが気になるところだ。

「丸神頼之の狙いは丸神山だ」ときっぱり言った丸神教授。物語はその謎解明に向かって進んでいくことに。ラストは丸神教授がナン丸や江見、ゼミ生の多賀谷(濱田龍臣)らにゼミで研究してきたことの「中まとめ」をする形で、丸神の里に伝わる七夕祭りとカササギが描かれた旗について解説するシーンとなった。

平安時代に始まったという祭りは、7月7日に由来するものではなく夏至を挟んだ7日間の祭りで、旗に描かれた絵は七夕の伝説に登場するカササギではなく似た形だったもの。カササギに似た形というのは、頼之の手の形と同じで、つまり能力者の手を意味するものと思われた。また、祭りは丸神山で行われるのだが、祭り開催の7日間は一度沈んだ夕日がえぐれた場所からもう一度見ることができることから、“7回の夕日”=七夕の祭りと名付けられたと考えられた。


クライマックスに向け、細田佳央太&三上博史vs山田孝之の演技に期待


丸神教授の登場により、物語は大きく動いた。丸神教授を演じる三上といえば、「君の瞳をタイホする!」(1988年、フジテレビ系)をはじめトレンディードラマで活躍してきたが、連続ドラマへの出演は実に5年ぶり。

緊迫感ある場面だった頼之を狙う武装集団に向かっての冷静な口調、里の人々にも信頼されていると思われる落ち着いたトーンが見事だった。能力者であり、里をどうにか導こうとする者として、その場をグッと引き締めるような存在感を醸しだしている。劇作家・寺山修司に見いだされた才能で、いまなお見る者を魅了する。

7月に行われた特別試写イベントに登壇した際、「現実とかけ離れたような、こういう作品が好きなんです」と語っていた三上。好きなジャンルの作品で、キーマンとしてクライマックスもいかんなくその表現力を発揮してくれると期待したい。最終回は頼もしくなったナン丸を演じる細田と共に、対峙(たいじ)しなければならない頼之役の山田との演技バトルでも物語を盛り上げてくれるに違いない。

「七夕の国」(全10話)は、ディズニープラスのスターで毎週木曜に最新話を独占配信中。次回8月8日(木)の配信で最終回を迎える。

◆文=ザテレビジョンドラマ部