――まずは今回の収録を振り返ってみていかがでしょうか?
佐久間 日本テレビの番組だけを紹介していた時から、「いつか他局の番組も取り上げたいね」って話はしてたんですよ。ただ、夢のような話で無理だろうと諦めていたことが叶って率直に嬉しいです。
伊集院 今回は現在も続いている番組の中から“神回”をピックアップしたんですが、そうやって限定すると似通ったものばかりになるかと思いきや、大間違いで。全く違う方面から、どれ一つとっても“神回”だと胸を張ってオススメできるVTRが集まっています。
佐久間 現役で放送中の番組だけを扱うのって逆にいいなと思いました。例えば、日本テレビからは「超無敵クラス」の“神回”を紹介したんですが、この番組って視聴者層が若いんですよ。だけど、僕らがこうやって紹介することで年配の方にも興味を持ってもらえるかもしれない。そうなった時に、普通に今もテレビでやっている番組だから観れますもんね。
伊集院 知らなかったけど、面白そうだから最新回も観てみようと思う可能性もありますからね。結果的にTVerにとっても、テレビ局のみなさんにとってもWin-Winな形の番組になっているんじゃないかなと思っています。あとは各局が負けたくない!って、この番組に送り込む勢いで良い番組を作るような流れになってくれたら嬉しいです。
――お二人は最初にこの企画を聞いた時に期待していたことと、実際に得たものとで何かギャップはありましたか?
伊集院 それこそ、始まったばかりの時は日本テレビ以外の番組も取り上げることになるとは思っていなかったので、それが一番驚くことですかね。
佐久間 今回はそれぞれの番組のスタッフがゲストとして収録に参加してくださっているんですが、神回を生み出したスタッフワークを実際に聞けたことが僕にとっては思っても見なかった喜びですね。僕は何より、今回の企画を実現させたこの番組のスタッフワークが神回だったと思います(笑)。
――今回は各番組の制作スタッフの方がゲストとして収録に参加されていますが、いかがでしたか?
佐久間 今回、何本かドキュメンタリー番組の“神回”を紹介したんですが、本当に信じられないシーンが撮れてるんですよ。「これどうやって撮ってるの?」って気になって仕方がなくて、種明かしをどこまでしていいのか迷いながらも聞きたいことをどんどん聞いちゃいました。
伊集院 僕は番組に出る側だから、ディレクターはいつもこんなことを考えながらやってるんだなって純粋な気持ちで聞いてたんですけど、この男は技を盗みに来てますからね(笑)。でも、改めて聞くと目から鱗な話ばかりでした。
佐久間 本当に一流のディレクターばかりで、例えば「SASUKE」の演出を担当されている乾雅人さんなんかは、セットにしても「これをあと1cm高くしたら何人脱落するか」みたいなことまで細かく計算しながら番組を作ってるんですよね。だけど、「最後は勘」っていうのがまたすごい話だよね。
伊集院 あれは名言だったなあ。
――今回、民放5局の“神回”を観て、それぞれのカラーみたいなものを感じられましたか?
佐久間 やっぱり「超無敵クラス」は日本テレビにしか作れないメジャー感があったり、「バス VS 鉄道 乗り継ぎ対決旅」はローカル系のグルメや旅番組を作り続けてきたをやってきたテレビ東京だからこそたどり着けるクオリティになっていますし、要は各局のDNAを受け継いだ番組が揃ったなって感じがします。それが個人的には嬉しかったですね。
伊集院 ただ全く違う番組なんだけど、ちょっとずつ共鳴してるところがあって。「ザ・ノンフィクション」と「SASUKE」は大まかに言えばどちらもドキュメンタリーですけど、全く絵柄が違うじゃないですか。でも上手くは説明できないんだけど、なるべく干渉しない形の演出だったり、ドラマを生み出す長年の勘だったり、何かしら共通する部分がある気がするんですよね。
佐久間 僕も今回の5本を観ていて、何か共通点があるなと思っていたんですけど、出演者を舐めてないんだよね。どの番組にも出てくれる人に対するリスペクトがあるし、だからこそスタッフも本気なんだなって感じがして、本当にかっこいい番組が揃ったなと思います。
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