所ジョージやリチャード・ギアら出演、黒澤明監督作品「まあだだよ」「八月の狂詩曲」を2夜連続放送 内容と見どころに迫る

2024/08/07 17:00 配信

映画

家族の愛と平和のメッセージが込められた「八月の狂詩曲」


8月9日(金)夜8時からは「八月の狂詩曲」(1991年公開)を放送。芥川賞受賞の村田喜代子氏による小説『鍋の中』が原作で、ハリウッドスターのリチャード・ギアが出演したことでも話題を呼んだ。

ある日、山村に住む鉦(村瀬幸子)のもとに、兄でハワイの大富豪・錫二郎の息子であるクラーク(リチャード・ギア)から、“不治の病で余命短い錫二郎が、死ぬ前に会いたい”という旨のメールが届く。きょうだいが多い鉦には錫二郎の記憶はなかったが、親戚が“富豪”だと聞いた息子と娘は、ハワイに飛んで行ってしまう。それによって残された4人の孫たちは、夏休みに鉦の家で過ごすことに。そうこうしているうちに、突然クラークがハワイからやって来て――。

本作では、孫たちが長崎にある鉦の家で過ごしている間、長崎の街にある戦争の傷跡や、鉦から原爆で祖父を亡くした話を聞いたりすることで、少しずつ鉦の気持ちを理解するようになっていく。そんな本作は、家族の愛と希望、そして平和のメッセージが込められた一作と言えるだろう。

また作中で、友好的なキャラクターを演じるリチャード・ギアは非常にさわやかに映り、片言な日本語もかえって好印象を与えていた。さらに、少年時代の吉岡秀隆のフレッシュな演技が楽しめる点も見どころの一つだ。

※内田百けんの「けん」は、門がまえに月という字。