“涙の叫び”が心に響く…怪作「七夕の国」最終回 細田佳央太“ナン丸”「この世の広さを分かってない!」

2024/08/09 18:10 配信

ドラマ レビュー

ナン丸(細田佳央太)の言葉に感動(C)2024 岩明均/小学館/東映

細田佳央太が主演を務めるドラマ「七夕の国」の最終回となる第10話が8月1日に配信された。丸神の里(丸川町)の人々が敬いつつ、畏(おそ)れる丸神頼之(山田孝之)が「悪夢を終わらせる」と言っていた謎。頼之の登場を待ち構える丸神教授(三上博史)やナン丸(細田)から目が離せなくなった。(以下、ネタバレを含みます)

役に立たない超能力を持つ平凡な大学生が主人公のミステリー


同作は、「寄生獣」で知られる漫画家・岩明均によるコミック「七夕の国」(小学館刊)を実写化。物に触れずに小さな穴を開けるという役に立たない“超能力”が、実はある地域の一族に伝わるものでその能力を開花させた大学生・南丸洋二(通称:ナン丸)を主人公に、不気味な超常ミステリーの物語が繰り広げられる。

主人公・ナン丸を細田が演じるほか、ナン丸が訪れる里で暮らす東丸幸子を藤野涼子、幸子が恐れる兄・東丸高志を上杉柊平、ナン丸と共に謎を追う大学の助教授・江見早百合を木竜麻生、ナン丸が通う大学の教授で失踪してしまう丸神正美を三上、そして山田が多くの謎を持つ頼之に扮(ふん)した。

「七夕の国」で大きなインパクトを残した山田孝之演じる頼之(C)2024 岩明均/小学館/東映

丸神の里に伝わってきた“怪奇”が明らかに


丸神教授の研究により、丸神の里で神聖な山とされる丸神山を中心にした周囲の地形が作られたものだということが分かった。ただ確かな記録はないため推測を交えての話では、1000年ほど前に、この地に“カササギ”と丸神教授が仮称した生命体が現れた。カササギは今でいう宇宙人のようなもの。

日本の国民は、八百万(やおよろず)の神を信じる。不思議な力を持ち、異形の姿は“神”のように思えたのだろう。人々から崇められるようになったカササギたちは、定期的に現れる。その舞い降りた地というのが、ヘリポートのように山頂部分が平らになっている丸神山なのだ。丸神の里の祭りは、神を迎えるため。やがてカササギが現れなくても、心待ちにする気持ちから祭りは続き、今に至ったと考えられた。

しかし、丸神教授は幸子に問い掛けた。「町の人々が、君が、山を守らねばという気持ち。それが本当に“ヤツら”を敬う心からなのかどうか」幸子の答えは、少し前に丸神教授が言っていた「見えない鎖」のせいだと。

カササギは、丸神の里を入植の候補地あるいは実験地としていたのではないかと考えられた。自らの血を交配して、のちの頼之やナン丸のような不思議な力を宿す“手がとどく者”が生まれ、恐怖や孤独感が植え付けられた幸子たちのような“窓をひらく者”が現れることに。カササギは、それを武器に人々を土地に縛り付けたのではないかということだった。

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