<ブラックペアン>伊與田英徳Pが語る二宮和也の妙味「二宮さんだったら別人をうまく演じてくれる」 続編の可能性にも言及

2024/08/16 13:00 配信

ドラマ インタビュー

日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」第4話より(C)TBS

原作と異なる、渡海と天城の交わり


――天城が渡海とうり二つであるというドラマオリジナルの要素は、今後の物語に関わっていくことになるのでしょうか?

そうでしょうね、きっと。その辺のところがストーリーの1つの大きなポイントになってくることは間違いないと思います。起きている事件は原作のエピソードを使わせていただいていますが、このキャラクターのところに関しては、原作とは違います。

原作では、渡海と天城が交わることはないので、そこをどういうふうに描くかというのは、海堂先生と相談しながら進めさせていただきました。原作を読んでいる方も新しい世界として楽しめると思います。

――渡海と比較すると天城は“優しい悪魔”だとの感想もありますが、どのようにして今のキャラクター像を作り上げたのかお聞かせください。

基本的には原作の天城雪彦のイメージを中心に、それを二宮さんがどう演じるかに合わせてアレンジしていきました。例えば、「この髪型にした方がいいんじゃないか」「こういう服を着た方がいいんじゃないか」「優しく、でも流ちょうにいろいろなことを喋れる人がいいんじゃないか」など、二宮さんからもアイデアが来るし、こちらからも監督と一緒に相談したものを提案して、それを監督が最後撮影時にどう料理するか、そんなふうにしてみんなで相談しながらやらせていただいています。

――「台本を覚えるという概念がない。必要最低限のもの以外は全部変えている」と公言している二宮さんですが、現場でのアドリブについてはどのように感じていらっしゃいますか?

“かましてやろう”というアドリブではなくて、自然と出てくるアドリブだと感じています。現場的にも、“そのアドリブは駄目”、“アドリブをみんなでしよう”という雰囲気があるわけではなく、皆さん自然に出てくるアドリブをそのままお芝居として表現して、楽しんでいる感じがあります。

――天城のハイセンスなファッションも話題になっていますね。

天城は、自分のいでたちや趣味など、それらをちゃんと楽しんだ上でさらに仕事もするというところが、日本人的ではなくてかっこいいところだと思います。

その1つの象徴として、着ている服にもちゃんとこだわるキャラクターがいいなと思って、衣装さんや二宮さんと話して今のスタイルになっています。髪色についても、“髪の毛を染めている暇があったら勉強しろ”と思われそうですが、“これも1つの生き方だ”と示すためにそうしているのが面白いなと思いました。

スリジエハートセンターのこだわりのデザインについても、天城は「建物は残る。建物は歌なんだ」と発言していますが、そういう発想も日本人的な感覚ではないように思います。

日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」撮影現場の様子(C)TBS


――主要キャスト陣の役者としての成長については、どのように感じていらっしゃいますか?

二宮さんに関して言うと、別人格をひょうひょうと演じていらっしゃる感じがすごいなと思います。トップスターとしての威厳をしっかりと維持し続けていて、熟練味を帯びているなと感じます。

また、竹内くんやわかなちゃんは、明らかに違いますね。6年前もしっかりしていましたが、今は大人の役者としての風格があって、芝居の持っていき方も見ていて面白いです。以前は、その勢いがかわいいなと思いながら見ていたのが、今はなかなかしっかり“役を生きている”という感じに見受けられるところがすごいなと思います。

――撮影現場の雰囲気やチームワークはいかがですか?

久々に会ったという感じもなく、ずっと一緒に東城大にいたのではないかと思わせるようなチーム感があります。役としての関係性もあるし、役者としての先輩後輩の関係性もそのまま映像に乗っている感じがして、ほほ笑ましく、居心地がいい空気の中で私も過ごさせていただいています。