成田凌“冴木”の慟哭が悲しみを色濃くした2017年パートの終焉<降り積もれ孤独な死よ>

2024/08/19 11:45 配信

ドラマ レビュー

冴木(成田凌)の弟・蒼佑(萩原利久)に悲劇が訪れる(C)井龍一・伊藤翔太/講談社 (C)ytv

成田凌主演のドラマ「降り積もれ孤独な死よ」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系/Hulu・TVerにて配信) の第7話が8月18日に放送された。果たしてここまで想像できただろうか。冴木(成田)が刑事としてその使命をまっとうしようとした事件の結末はあまりにも苦いものだった。(以下、ネタバレを含みます)

予測不能な結末へ誘うヒューマンサスペンス


同ドラマは、原作・井龍一、漫画・伊藤翔太による同名コミック(講談社)をベースに、オリジナル要素を付け加えて映像化。

13人の子どもたちの白骨死体が見つかった、通称・灰川邸事件から7年。一人の少女の失踪事件をきっかけに、灰川邸事件の現場に残されていた謎のマークが再び浮かび上がる。過去と現在、2つの事件の謎が降り積もる中で真相が紐解かれていく、スリリングなヒューマンサスペンスだ。

凄惨な事件を捜査する主人公の刑事・冴木仁を成田、冴木の前に現れる謎の女性・蓮水花音を吉川愛、事件が起きた屋敷の持ち主で容疑者でもある灰川十三を小日向文世が演じる。ほか、冴木の先輩刑事・五味明日香に黒木メイサ、冴木の後輩刑事・鈴木潤に佐藤大樹(FANTASTICS from EXILE TRIBE)、花音と同じく灰川邸に住んでいて生き残った子どもであり、冴木の腹違いの弟である瀧本蒼佑に萩原利久、2024年の現代パートでの週刊誌記者・森燈子に山下美月

冴木(成田凌)と蒼佑(萩原利久)、まさかの展開へ


前回、2024年パートで五味が「話したくない…。あんな終わり方した事件のこと」とつぶやいた灰川邸事件の結末。

灰川の実の息子で、13人の子どもたちを死にいたらしめた真犯人である鈴木に監禁された蒼佑と花音。なんとか逃げだしたところで冴木が駆け付けた。意識を失っていた蒼佑は冴木の心臓マッサージで息を吹き返したが、鈴木に「暴力を受けて育った子どもが、また暴力を振るうようになるなら、そんな負の連鎖、断ち切ったほうがいいんじゃないですか?死ぬことで」と言われる。

冴木と蒼佑は父親からひどい暴力を受け、自分にもその暴力性があることを認識して、苦悩してきた。それだけに鈴木のあおるような言葉は、聞いているだけでたまらない気持ちになる。そして、実際に悲劇が訪れることになってしまった。

横たわる鈴木に馬乗りになって殴り続けてしまう冴木。息を吹き返したばかりの蒼佑の「ダメだ…兄貴…」という言葉は届かない。鈴木の顔からの出血で冴木の顔も染まっていく。そんなとき、鈴木が冴木の銃を奪った。花音の呼びかけでハッとした冴木に向かって銃を構える鈴木。するとその間に蒼佑が割って入り、背中に銃弾を浴びた。

「なんで」と問う冴木に、「良かった。やっと守れた。俺にも…」と返す蒼佑。冴木の祈りむなしく、蒼佑は息を引き取った。