成田凌“冴木”の慟哭が悲しみを色濃くした2017年パートの終焉<降り積もれ孤独な死よ>

2024/08/19 11:45 配信

ドラマ レビュー

後味悪い2017年の事件は、終わっていないのかもしれない


冴木の慟哭が悲しく響くなか、うつろな表情で外に出た鈴木。そこに五味たち刑事がやって来た。

「銃を捨てろ」と言いながら、銃を構えて一歩一歩近づく五味。何も言わない鈴木は、五味の後ろに灰川の幻を見ていた。「俺はお前の父親じゃない。二度と俺に近づくな」と灰川に否定された鈴木だが、それは鈴木のことを守ろうとする灰川の愛があったからだった。花音に指摘されるまで気付かず、罪を犯してしまった鈴木は「何のために…僕は今まで…」と後悔の念を抱きながら、銃を自分の頭に向けて発砲し、自ら命を絶った。

最悪の結末。ただ、冴木には別に決着をつけなければいけないことがあったはず。自身が引き起こしていた児童虐待加害者を狙った連続傷害事件だ。そのことを知る五味に、冴木は蒼佑を守るために自首を延ばして灰川邸事件の捜査をしたいと申し出ていた。

蒼佑の死後、辞表を出した冴木を心配する五味。ある日、冴木の姿は父親から虐待されている子どもの悲しい声が響くアパートの前にあった。再び罪を犯すのかと思われた時、花音からの着信があった。その電話には出なかったものの蒼佑からの留守電に気付いた。それは蒼佑が鈴木に拉致される直前に残したものだ。

虐待の連鎖は遺伝子や血のつながりによるものではなく、「2人なら必ず断ち切れる」と一緒にやり直そうと語りかけていた。涙をこぼして蒼佑の思いを聞いた冴木は、DVを通報。そののちに冴木は自首をした。

約23分かけて一気に描かれた2017年の結末。だがその悲しい余韻にしっかりと浸る間もなく、物語の舞台は2024年へ。灰川邸事件と関連しているような新たな悲劇が起き、謎はさらに降り積もる。

タイトルがトレンド入りする反響となり、「前半が怒涛すぎて考察どころじゃない」「最初から衝撃で号泣」「引き込まれてあっという間だった」「今後どうなるかまったく読めない」といった声が寄せられた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部