――主演を務める成田さんと、それからヒロインの吉川さんの起用理由は?
元々お芝居が上手なお2人という印象があって、今回ご一緒させていただいて、本当にすごいなと驚きました。毎回撮影現場に行く度に、想像を上回るお芝居してくださるんです。冴木という役が抱える暴力衝動や内に秘めた葛藤が、成田さんに演じていただいたことで、いい意味で哀愁や危うい色気のような形で出ていると感じました。陰の部分を感じさせる、すごく魅力的な役者さんだなと思い起用させていただきました。
花音は本当に難しい役だなと思っていて。表情もコロコロ変わるし、何を考えているか読み取れない、すごくミステリアスな役です。吉川さんは、そういうミステリアスな謎めいた役がお得意かなと思っていたので起用させていただきました。実際、すごく絶妙のバランスで、 何を考えているかわからないけど、この子にも過去に色々あったんだろうなと感じさせる、感情が読み取りづらい花音のキャラクターを絶妙なバランスをやっていただいているなと感じています。
――SNSでもストーリーだけでなく、お芝居で泣けちゃうみたいな投稿もありましたよね。
成田さん、吉川さんのお2人以外にも、小日向さんをはじめ、お芝居が上手な方に集まっていただいたので、しっかりと見応えのある、ストーリーだけではなくてお芝居で魅せることが出来ているかなと思います。
――成田さんと吉川さんの現場での様子、また現場での雰囲気を教えてください。
2人のシーンでは、カメラの回ってない時は2人でゆったりとしてお話されているイメージです。成田さんは撮影の合間にどんなお芝居をしようかと考えていらっしゃる感じ。吉川さんは普段はふわっとした雰囲気の方なのですが、カメラが回るとスイッチ入って演技に入られるといった感じで、対極的な印象があります。
――撮影中の印象的なエピソードはありますか?
成田さんが撮影の合間に、一緒に筋トレしようと吉川さんを誘われるんですけど、吉川さんが毎回「疲れるから」と、断固として拒否されています(笑)。
――中山Pのお気に入りのシーンや、せりふはありますか?
やっぱり冴木と蒼佑の兄弟の話は、自分の中でも思い入れのあるシーンです。兄弟が初めて向き合うことになる3話の体育館のシーン、あとは7話の蒼佑が亡くなってしまうシーン、そして、冴木が留守電に残された蒼佑のメッセージを聴くシーンは、このドラマのメッセージを象徴するシーンだと思います。暴力衝動についての「負の連鎖」を背負った2人が、それをどう乗り越えていくのかというのが、このドラマの1つのテーマでもあるので、特に思い入れがありますね。
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