一方、その姿形から“トカゲ野郎”と呼ばれ、外に出ただけで殺虫剤を撒かれるなど、障子と同様に迫害を受けてきたスピナー。その結果、彼は自宅に引きこもり、やがてはヒーロー殺し・ステイン(CV:井上剛)の姿に触発されて敵(ヴィラン)連合に加わった。そして今は、社会に恨みを持つ者たちを先頭で率いている。障子とスピナーは境遇こそ似ているが、進んだ道は正反対だ。
障子は何の考えもなく病院を襲い、罪のない人々も巻き込もうとしているスピナーに「怒りの使い方を考えろ!考えられるはずだ。だって俺たちは傷があるんだから」と訴えかける。だが、AFOから“個性”を与えられたことで、自我を失いかけているスピナーの耳には届かない。さらにスピナーは体から強靭な鱗の鎧を生やす“個性”の「スケイルメイル」を発動させ、病院へと前進していく。
しかし、諦めることなく、右腕を“複製腕”により強化した状態でスピナーに立ち向かっていく障子。「キモ」と心無い言葉をかけられても、「ああ、これが俺だ!」と力強く返す障子はかっこいい。
一方、「具体性もない!所詮其方のエゴを叫ぶだけ!」と障子の発言を嘲笑した敵(ヴィラン)に「障子くんを嗤うな!」と怒りをあらわにするのは、口田甲司(CV:永塚拓馬)だ。障子と同様に異形系の“個性”を持つが、都会育ちゆえに差別を受けることはなかった口田。しかし、母親は迫害を受けた過去があり、それを後に結婚する口田の父親にかばってくれたことから「大切なものを笑われた時は怒れるように」と息子には教えてきた。
その言葉通り、大切な人のために怒った口田の頭からは母親譲りの角が生え、“個性”が進化した。悲しみの連鎖を断ち切り、希望のある未来を紡いでいくために戦う障子と口田に、視聴者からは「障子くん過去に色んなことあって辛いはずなのにこんなに頑張っててもうとにかく最高だった」「魂の叫びが届きますように」「大切なモノが笑われた時に怒れる口田くんも最高に素敵なヒーロー」「二人とも優しくてかっこいい」という声が上がった。
■文/苫とり子
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