キム・スヒョンが主演を務める韓流ドラマシリーズ「太陽を抱く月」(Huluにて配信中)。2012年に全20話が放送された大人気ドラマシリーズである同作は、朝鮮王朝の架空の時代に繰り広げられる宮中ラブストーリーを描いた作品。第4話では主人公であるイ・フォン(子役:ヨ・ジング)が、父であるソンジョ(アン・ネサン)と向き合う。衝動的に動いていた子どもから次代を担う王として、成長した姿を見せていた。(以下、ネタバレを含みます)
儀式の途中、人知れず再会していたイ・フォンとホ・ヨヌ(子役:キム・ユジョン)。見つめ合う2人を、ヤンミョングン(子役:イ・ミノ)とユン・ボギョン(キム・ソヒョン)は、決して悟られないように遠くから眺めていた。そんなことなど露知らず、自分達の名が持つ意味を教え合い距離を縮めていく2人。そのなかでイ・フォンは世子ピン(将来の王妃)についても言及し、近々“禁婚令”(王族の結婚と庶民の結婚式がかぶらないよう、一定期間結婚を禁止するお触れ)が発されると明かす。そして世子ピンを選ぶための行事・カンテクがおこなわれることをホ・ヨヌに伝える。
「名乗りを上げるだろ。待っているぞ。きっと世子ピンになれるはずだ」と柔らかく微笑みかけるイ・フォン。顔をほころばせるホ・ヨヌに照れてしまうイ・フォンだったが、天井からは何やら花が降ってくる。イ・フォンの従者であるヒョンソンがわざわざ屋根に登って花吹雪を散らして演出した幻想的な光景に、2人は少しだけ穏やかなときを過ごした。
ほどなくして禁婚礼が発される。イ・フォンはホ・ヨヌの兄であり自身の師匠であるホ・ヨム(子役:イム・シワン)に、「ヨヌは名乗りを上げましたか?」と問う。ヨムは「まだです」と答えると居住まいをただし、両手をついて言う。「この私から奏上がございます。この国の女であれば、名乗りを上げるのが道理です。ただ妹だけは――ご勘弁を。この通りです」。
言葉を聞いたイ・フォンは、困惑しながら「なぜ誠実な者がそのような奏上をする?」と師匠の真意を問う。しかしホ・ヨムから返って来た言葉は、「どうせ、無理だからです」というものだった。他でもないホ・ヨムの言葉に、イ・フォンは「なんと奇異なことを言うのだ」と大きくうろたえる。
ホ・ヨムは「私が犯した不忠の罪は必ず償いますゆえ…」と続けるものの、イ・フォンは動揺して「お前の奏上は聞き入れられない」「師を失いたくないのが第一の理由だ。第二の理由は…」と言葉を続けようとした。しかしホ・ヨヌのことが好きだから、という言葉を吐き出そうとしたイ・フォンは気恥ずかしさから「好きだからだ」とだけ言って部屋を後にしてしまう。
ヒョンソンは慌てて部屋のそばに待機していた者たちやホ・ヨム本人に「世子様が慕われているのはホ文学(ムナク=先生のこと)ではないぞ」とフォローをして回るのだった。
カンテクについてある考えを抱いたイ・フォンは、ソンジョを訪ねる。2人だけで話がしたいと人払いをした上で、イ・フォンは世子ピンの内定者を撤回して欲しいと嘆願。しかしソンジョはカンテクの主管は大王大妃(テワンテビ)・ユン氏であるとし、管轄外だと一蹴されてしまう。
前例はあると食い下がるイ・フォンだったが、「恋心ごときのために私は動かん」と釘を刺すソンジョ。そしてそもそも急なカンテクが軽はずみな行動を取ったイ・フォンの醜聞対策の婚礼であると怒り、問題を起こした本人であるイ・フォンを責め立てる。その言葉にイ・フォンは、「私がすべてを出発点に戻したら、公正なカンテクを命じてくださいますか?」と強い覚悟の覗く表情で答えるのだった。
その後、ヤンミョングンがソンジョを訪ねる。以前ヤンミョングンから“生涯一度のお願い”として嘆願されたホ・ヨヌとヤンミョングンの婚礼について、「約束だと?なんのことだ」と視線をそらすソンジョ。「世子様の奏上で意見を変えたのですか?世子様のお相手も同じ者なのですか?」と必死に食い下がるヤンミョングンだったが、ソンジョの意思は固い。
だがカンテクに臨んだ女は、脱落しても世子の女として生涯婚姻を禁じられる。そして今回のカンテクが出来レースということは誰の目から見ても明らかだ。「愛する女の不幸を黙って見ていろと?」とすがるヤンミョングンに、ソンジョは「このような不忠は謀反も同然だ」と強い言葉をぶつけるのだった。
悲しみに暮れるヤンミョングンは宮廷を歩くなか、楽しそうに遊ぶ子どもたちに幼かった頃の自分とイ・フォンを映してしまう。「そのように笑わないでください。私の欲しい物や、私が望んだすべての者を難なく手に入れた世子様。私に見せる無邪気な笑顔を、どうか謹んでください。心おきなく憎めるよう、どうか…」唇を噛み締めながら、愛情と嫉妬が入り混じった感情の嵐をこらえるヤンミョングン。
しかしかつてイ・フォンを助けたように、子どもが転んだのを見ると反射的に体が動いてしまう。「それもだめですか?では私の心に吹く嵐を静めてください」どうにもならない感情を抱えながら、心の中でそう祈るのだった。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)