<僕のヒーローアカデミア>「完全にヴィラン声で痛々しい…」トガヒミコ演じる、福圓美里の圧巻の演技が大きな話題に

2024/09/06 09:30 配信

アニメ レビュー

アニメ『僕のヒーローアカデミア』第153話が放送(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会

堀越耕平による大人気コミックを原作としたTVアニメ「僕のヒーローアカデミア」(毎週土曜夕方5:30-6:00、読売テレビ・日本テレビ系/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)の第153話が8月31日に放送された。ヒーローへの敵意を募らせるトガヒミコが、切り札であるトゥワイスの血によって変身、無限増殖を試みる。敵(ヴィラン)として完成されたトガの声を担当する福圓美里の圧巻の演技が大きな話題となった。(以下、ネタバレを含みます)

「僕のヒーローアカデミア」

アニメ『僕のヒーローアカデミア』7期第2クールのキービジュアル【デクvs死柄木】(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会


本作は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて2014年32号から10年にわたり連載された堀越耕平による人気コミックを原作としたアニメ作品。総人口の約8割が何らかの超常能力“個性”を持つ世界を舞台に、“無個性”の少年・緑谷出久(通称:デク、CV:山下大輝)が、憧れのNo.1ヒーロー・オールマイトの“個性”を受け継ぎ、名だたるヒーローを多く輩出する雄英高校のクラスメイトたちと共に最高のヒーローを目指していく物語だ。

“ヒロアカ”の愛称で親しまれ、原作漫画は最新41巻まででシリーズ世界累計発行部数が1億部を突破。現在テレビアニメ第7期が放送中、さらに劇場版第4作「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト」が公開中となっている。

“黒霧”の名を呼ぶスピナーと、“白雲”の名を叫ぶプレゼント・マイク

アニメ『僕のヒーローアカデミア』第153話が放送(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会


“個性”が当たり前になった現代の中で、異形系の“個性”ゆえの姿形から迫害を受け、社会への恨みを募らせていた者たち。超常解放戦線の思想に共鳴し、暴徒化した彼らだったが、第153話では同じ境遇を持つ障子目蔵(CV:西田雅一)の必死の訴えがついに実を結ぶ。

黒霧(CV:藤原貴弘)奪還のためスピナー(CV:岩崎了)とセントラル病院に突入するも、毅然と患者を守ろうとする医療従事者たちの姿を目の当たりにした彼らは戦意を喪失。気づけば、スピナーの後ろにはもう誰もいなかった。

何が正解か自問自答する異形者たちに、障子は「考えることを止めなかったあなたが、俺には今まぶしく映ります」「その光で傷つける者を変えましょう。彼らが自ら己の拳を恥じるまで」と語りかける。

長い迫害の歴史が、異形者たちとそうではない者たちの間に生んだ溝はそう簡単に埋められるものではないだろう。けれど、そのきっかけを今、障子と彼らが作ったのだ。依然として緊迫した戦いは続くが、その光景は私たち視聴者の目に希望として映った。

だが、それでもスピナーは動きを止めない。彼の行動原理は社会に対する恨みだけではなかった。壮絶な差別を受けてきたスピナーにとって、「全てを壊す」という目標に突き進む死柄木弔(CV:内山昂輝)は自分を苦しみから救い出してくれる“ヒーロー”に思えたのではないだろうか。

そんな死柄木が目指す未来を見てみたいという思いがスピナーを動かしているのだろう。後を追ってきたプレゼント・マイク(CV:吉野裕行)の攻撃で大ダメージを受けるも、最後の力を振り絞り、黒霧に「死柄木たちを助けろ」と呼びかけるスピナー。一方、プレゼント・マイクは黒霧の“ベース”であるかつてのクラスメイト・白雲朧の名を叫ぶ。

アニメ『僕のヒーローアカデミア』第153話が放送(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会