若手俳優たちの歌あり、涙ありのオリジナル時代劇!「SANADAMA・る」

2017/09/16 19:09 配信

芸能一般 インタビュー

今年も12月28日(木)から東京・明治座にて「ゆく年く・る年冬の陣師走明治座時代劇祭」(通称:る年祭)が上演される。本公演は2011年から演劇製作会社る・ひまわりと創業140年を越える老舗大劇場の明治座がタッグを組み上演を続けてきた舞台で、歴史的にも有名な人物や物語を笑いあり、歌あり、踊りあり、涙ありの歴史エンターテインメント。

今回は昨年の大河ドラマ「真田丸」('16年、NHK総合ほか)とそっくりな名前の「SANADAMA・る」を送る。真田幸村および真田十勇士らが戦う「大坂の陣」を、仙台藩伊達氏家臣の片倉重長と隻眼の仙台藩藩主・伊達政宗目線で演じる。

そんな作品で、理想に燃える青年・重長を演じる安西慎太郎(W主演)、現実主義者の藩主・政宗を演じる辻本祐樹(W主演)、女人を捜して迷子になる伊達成実役の木ノ本嶺浩に見どころなどを聞いた。

「SANADAMA・る」に出演する3人を直撃!(左から)木ノ本嶺浩、安西慎太郎、辻本祐樹スタイリスト:EIKI、ヘアメイク:高橋ゆかり/藤澤和紀


今年はW主演で前代未聞の舞台に!?


――この「祭」シリーズは、自身の中でどのような存在ですか?

安西:僕はこの年末公演は3度目の出演になるのですが、見ていただくお客さんにすごく愛されている作品だと思います。いつもと違うのは、今回は辻本さんとW主演ということですね。やることは変わらないのですが、みんなで切磋琢磨(せっさたくま)しないと。でもその中で、いつもと同じ感覚でやらなくちゃいけないこと、それだけじゃだめなこともあると思うので、そこを考えながらやっていきたいです。片倉重長の成長物語でもあると思うので、周りの人の影響を受けて進んでいくんじゃないかな。皆さんのことを感じながら作っていければいいなと思います。

【写真を見る】仙台藩伊達氏家臣・片倉重長を演じる安西慎太郎(W主演)スタイリスト:EIKI、ヘアメイク:高橋ゆかり/藤澤和紀


辻本:僕はありがたいことに毎年出演させていただています。開けてみないと分からない箱の中に閉じ込められたような…(笑)。今回も、完成するまでどうまとまるか分かんないですね。チラシでは体操着を着ていますが、演目は時代劇なんです。でも時代劇だと思わせておいて実はオリジナルストーリーなので、かなりひねってありますね。

まだ台本を見ていないので内容は分からないですが、とりあえず1人1人の個性が爆発してぶつかり合ったすごく楽しい舞台ですね。1部のお芝居は歴史だからと肩ひじ張らず楽に見てもらって、2部のショーはみんな立ち上がって盛り上がっていただければと。年末にふさわしい舞台だと思います。

――今回、W主演で伊達政宗を演じることはどうですか?

辻本:今まで主役をやったことはあるのですが、年末の明治座公演では初めてです。(年末シリーズで主役をやることを)さりげなく夢として持っていたので、お話がきた時はすごくうれしかったですね。伊達政宗に関してはこれからいろいろ勉強しますが、親兄弟を殺害しなければならなかったりと、結構孤独な役どころでもあると思っています。しっかりと伊達政宗の芝居を作り上げられればと思っています。

仙台藩藩主・伊達政宗を演じる辻本祐樹(W主演)スタイリスト:EIKI、ヘアメイク:高橋ゆかり/藤澤和紀


――木ノ本さんはどうですか?

木ノ本:僕は「ドリームジャンボ宝ぶね」(2013年)、「るの祭典」(2014年)、「納める祭」(2015年)に続いて4回目の出演です。初めて出演した時は何もできずに終わった感がありました。その次の「るの祭典」でこの3人で出演して、辻本さんが豊臣秀吉で僕たちがその部下を演じたんです。その時に演出の板垣(恭一)さんから愛のあるお言葉をいただきまして(笑)。「自分が出る以上はこのシーンの責任は自分が取るんだと思ってやりなさい」と言われ、あらためて作品作りの在り方を教えてもらいました。そしてまた1年がたって、1年で何をしてきたかとか、どういう成長をしたかを見られている気がするんです。

この公演は、毎回、1年間学んできた自分の新しい物とか、過去とは違う物を出す場かなと感じています。そうやっていろいろな方向に自分の軸が触れるようになってくると、また次の仕事につながる気がしますし。この舞台は、僕の中では大きい意味合いを持っていまして、自分を見つけられた場でしたし、毎回面白い物を作っていかなければというプレッシャーを感じる場でもあります。

おそらく脚本を手掛けられた赤澤ムックさんが面白がって、今回僕が演じる役のキャッチを書いたんだと思うんです。この“る・ひまわり”さんの舞台で、これまで赤澤さんがお書きになった本を何本かやってきました。1人芝居をしたり、嫁のことを愛し過ぎる武将を演じたり…いろいろ演じてきたので、次に何がくるのかすごく楽しみです!

女人を捜して迷子になる伊達成実役の木ノ本嶺浩スタイリスト:EIKI、ヘアメイク:高橋ゆかり/藤澤和紀


――赤澤さんはどんな方ですか?

辻本:「その人のキャラクターを生かす脚本を書いて下さる」という感じはしますね。台本通りにいかないから、本当に稽古してみないと分からないです(苦笑)。

木ノ本:僕はこのお2人が座長で、すごく安心しているんです。僕がむちゃくちゃなことをしてもにこやかに見ていてくれそうな…。