第3・4話でさらに、独自の医療信念がある司馬と真面目一辺倒の石川のライバル関係が激しくなっていき、溝は深まるばかりといったところ。優等生キャラの春美は2人の関係にオロオロしっぱなしで、何なら色恋要素を加えてしまってケンカの火種を作っている。
第3話の懲罰委員会の議題は、手術室で司馬と春美と2人きりだったときに起きた出来事であり、他の医師たちを納得させる釈明ができたもの勝ちという雰囲気の中で、司馬が力づくで春美を抑えつけ脅したシーンなどは、女性の尊厳を奪われているという点で今では考えられないほどひどい。
今では考えられない、という場面は他にもたくさんある。司馬と元彼女の医師・沢子(千堂あきほ)が病院内でタバコをスパスパと吸いながら談笑したり、当直の医師が入院患者と麻雀卓を囲んで楽しく夜を過ごしているなど、この時代を知らない若い世代の視聴者はきっと驚くのではないだろうか。司馬が石川に廊下で殴られて口から血を流すなど、石川も十分問題児だなという印象もある。
ただ、それが当時の当たり前だったし、司馬が変わり者であるがゆえに傍若無人さはより濃く描かれており、今見ると時代の移り変わりを興がるという視点からでも楽しい。この後の2人の関係も気になってしまうだろう、一気見のチャンスである。
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