「内戦(シビル・ウォー)」の苛烈な世界を生き急ぐ戦場ジャーナリストたち。移動手段が車しかない状況で、ワシントンに向かうわずかな時間を全速力で進む中、不可避となった別れ。記者たちの冷徹なと抑えきれない感情。そして目の前の歴史的な瞬間――。
この映画は、狂気なまでの分断状況となってしまった今のアメリカのほんの少し先にあるリアリティショーだ。11月の大統領選挙の結果はあまりにも大きい。
米大統領選、トランプvsハリスの対決は分断されるアメリカを象徴。第二次南北戦争勃発の可能性はゼロではない。これは、2021年1月6日の議会襲撃事件の行き着く先を示す衝撃的な映画だ。
「お前はどういう日本人なんだ?!意見や考えの違う者は容赦なく殺す!」と問い詰められているような恐怖感。SNS時代に生み出される「分断」は「破滅」へとつながることを示す衝撃的かつ黙録的映画だ!
記者たちが前線に近づくにつれ緊迫がいや増し、ついには目を逸らしたくなる。だがその実一瞬たりとも目を離せなかった。この想像を絶する非日常がなぜこんなにもリアルに胸に迫るのだろう。