統治完全崩壊。安全装置が外れ、本性が剥き出しになる。そのとき人間はいったい何をするのか。本作を「相手陣営」がもたらす恐怖への警鐘と思うなかれ。目撃者も非当事者ではいられない。
記者たちが対象に向けるレンズは彼らにとっての銃口であり、そこで捉えた真実という光が闇を撃ち抜いていく。昨今の社会情勢が絡む重そうなストーリーでありながら、クソカッコイイ、カット!クソカッコイイ、音楽!アレックス・ガーランド監督のセンスに脱帽!天才すぎて悔しい!もういい!?
暗い。そしてひたすらおもしろい。CNNのシニア・ライターは長文の記事でこの映画の大ヒットを「アメリカの民主主義を徐々に崩壊させかねない風潮」と警告。映画の中で起きていることはいずれ本当に…なるのだろうか?
アメリカの物語ですが日本でもいくつかの歴史的なステップがあれば実現しそうな「ヤバみ」が満載の映画です。
とにかく音がすさまじい。ほとんどホラーだ。でも相手はゾンビでもゴーストでもなく同じ人間だ。観ながらきっとあなたは思う。なぜここまで冷酷で無慈悲になれるのか。でもそれが人間なのだ。