甲斐さやか監督の最新作「徒花-ADABANA-」が10月18日(金)にテアトル新宿、TOHOシネマズシャンテ他で全国順次公開される。公開に先駆け10月3日に、主演を務める井浦新をはじめ、水原希子、三浦透子、斉藤由貴、永瀬正敏、甲斐が登壇した完成披露上映会が実施された。
本作はウイルスの蔓延で人口が激減し、病にむしばまれた上層階級の人間だけにもう一つの身体「それ」の保有が許されるという世の中で、自分の「それ」と対面した男の葛藤を描き出す。死が身近に迫る新次を井浦新、臨床心理士まほろを水原希子が演じ三浦、斉藤、永瀬らが出演している。
登場した井浦は、満席の会場を見渡しながら「通いなれたテアトル新宿で、この作品で一緒に登壇する監督、共演者の皆さんと、こちら(舞台)側からいつもと全然違う景色を見せていただいてありがたく思います」と感慨深げ。
水原も「撮影していたのは2年前。まだコロナ禍で、今とは全然違う状況でした。私自身が観たいと思う作品に出られたことをとてもうれしく思います」と喜びをかみしめた。
新次と「それ」の二役を繊細に演じた井浦は、感想を聞かれ「もう具合が悪くなりました」と苦笑い。それでも「これまで一人二役の経験がなかったので、絶対にやりがいしかないだろうなと思いましたね」と意欲満々。
井浦の熱量も大きかったようで、監督は「井浦さんからも色々なヒントをいただきましたので、それを絶対に形にしようと思いました。もう皆さん凄くて、見どころがたくさんある。俳優の力って本当にすごい。驚くばかりでその感動が多いです」と俳優たちの力量に圧倒されていた。
水原も臨床心理士を演じるため、実際に臨床心理士にインタビューをして役作りをしていったそうで、「病院に勤める臨床心理士の方の、(患者との)距離感が絶妙なんです。どこまで受け止めて、寄り添って、仕事としてまっとうするか…。これはとんでもなく大変なお仕事だなと」と感銘を受けながら演じていたと話した。