興玉と小夢は、学校で関係者に話を聞くことに。校長から生徒会長の3年生・剣持日向(清乃あさ姫)を紹介されるが、その様子を生物教師の山杉幹夫(林泰文)がこっそりとのぞいていた。興玉がそれを見つけて追いかけるが、山杉は逃げていってしまった。
いろいろと調べてみると、この学校で起きていたのは集団失神だけではなかった。2カ月前、生徒会長を務めていた白石一香(井上音生)が飛び降り自殺し、“イケメン先生”と言われて人気のあった教師の池神(中尾暢樹)が失踪するという不審な事件が立て続けに起こったらしい。
話を聞いた興玉は、「何かに祟られてますね、この学校は」と口にするが、あることに気づいて「おいおいおいおい!」と言いながら駆け出した。興玉は学校の敷地図に載っていた“祠(ほこら)”が無くなっているのに気づいたのだ。剣持によると、ボロボロになっていたので生物部で解体したという。
近くにバラバラになった祠を見つけ、興玉は確信したかのように「これが祟りの正体です」と言い放つ。そして、体育館に生徒たちを集め、興玉が説明した。「皆さんが急に意識を失ってしまう理由は、狐憑きです」と。
ここまでの状況を見ると、興玉の言う通り、狐憑きというしかない。まさに全決が対処すべき超常現象だと言える。しかし、これは“人災”とも言える事件だったことが興玉によって明かされていく。
推薦で大学進学が決まっていた白石と剣持は、学校で禁止されていたアルバイトを行っていた。それに気づいた池神は、彼女たちをおどし、黙認する代わりに盗撮の手伝いをさせていた。それを苦にして白石は校舎の屋上から身を投げた。
剣持の異変に気付いたのが、興玉たちが来た時に覗き見をしていた山杉で、剣持だけでも救おうとして池神に自首をすすめた。しかし池神は剣持をおどして、山杉に盗撮の罪をすべて押し付けようとした。それに反抗した剣持は池神ともみ合う形になり、池神が倒れた時に祠のキツネに頭をぶつけて死んでしまった。
その時に剣持が「助けてくれなかった!」と言って祠を壊してしまった。山杉は剣持に駆け寄り、剣持たちをかばって罪を全部かぶることを決意。山杉が剣持をつけ回すような行動をしていたのは、彼女をことを見守ろうとしていたからだった。
祠が壊されたことで、息吹きの竹筒が抜けてしまい、そこから地下のメタンガスが発生したことが集団失神の原因ということも明らかになった。
前回の「シャドーマン」の時と同じく、超常現象ではなく人間の仕業だった。しかし、前回と同様に不可解な出来事もあった。それは小夢が“何か”を見たということだ。やはり小夢には何か特殊な能力があるということなのだろうか。
そして、今回の事件に関して謎の神ヒルコが犯行声明を出したということは、今回も超常現象とは関係ないと完全には言い切れないところがある。
もう一つ、前回でも思ったが、謎の女性“豊玉妃花”(福本莉子)の存在が気になりすぎる。興玉は彼女のことを知らなさそうだが、全決の局長・宇喜之民生(小日向文世)は彼女の正体を知っていて、「最近暴れすぎじゃないですか?」と牽制するような発言も。宇喜之も妃花も表情からは本心が読み取れなさそうなので、二人の関係性と妃花の正体が明かされるのはもう少し先になりそうだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)