作り手にも受け手にも愛される、“余韻”を生む俳優・仲野太賀【てれびのスキマ】

2024/10/26 07:00 配信

芸能一般 コラム

仲野太賀※2024年ザテレビジョン撮影

宮藤官九郎ファンの仲野がかなえた、夢のような仕事


自分は見向きもされない。憧れた映画俳優にはなれないかもしれない。そんな鬱屈とした思いを抱えていた仲野が19歳の時に出会ったのが岩松了だった。彼が演出の舞台「シダの群れ 純情巡礼編」(2012年)に出演し、「最初に手を差し伸べてくれた感覚」を味わった(「cinemacafe.net」2021年2月8日)。そこから媒体にこだわらず仕事をするようになって道が開けていった。

大きな転機となったのは、宮藤官九郎脚本のドラマ「ゆとりですがなにか」(2016年日本テレビ系)だろう。「ゆとりモンスター」と呼ばれる問題児を演じ、強烈なインパクトを残し、彼を主役としたスピンオフ「山岸ですがなにか」(Hulu)も制作された。仲野自身、この仕事は夢のようだった。何しろ、小学生の頃からの宮藤官九郎ファン。最初に覚えた作り手の名前は「クドカン」だった。