俳優の渡邊圭祐が、11月3日に都内で開催された映画「八犬伝」大ヒット御礼舞台あいさつに登場。共演の鈴木仁、松岡広大、藤岡真威人、脚本・演出を務めた曽利文彦監督と、周囲の反響などを語った。また、キャスト陣へのサプライズとして役所広司と内野聖陽からメッセージ映像が届き、渡邊は驚きつつも温かい言葉に「身が引き締まりますね」と笑顔を見せた。
同作は、山田風太郎の原作「八犬伝 上・下」を壮大なスケールで映画化。里見家の呪いを解くため、八つの珠に引き寄せられた八人の剣士の運命をダイナミックなVFXで描く「八犬伝パート【虚】」と、物語を生み出す作家・滝沢馬琴と浮世絵師・葛飾北斎の奇妙な友情を通して描かれる「創作パート【実】」が交錯するエンターテインメント大作だ。10月25日に公開されると、10月25日~27日の3日間で興行収入1億6808万7160円、動員12万5748人を記録し、週末興行収入&動員ランキング初登場1位の大ヒットスタートを切った。
【虚】のパートで八犬士のリーダー・犬塚信乃を演じる渡邊は、周囲の反響について「珍しいぐらいに母親から長文のLINEがきまして。近況報告とともに。こんぐらい(指を大きく広げて)ですよ。それで俺この量で(同じように広げて)返したの。(それには)スタンプで返ってきた。それぐらい反響を頂いています」と話し、同じく八犬士・犬川荘助役の鈴木は「友達から一緒に見に行こうって言葉が多過ぎて、これから3回以上は見に行くと思います」と、いずれも身近な人からの好反応を明かした。
また、撮影エピソードを聞かれた渡邊が「純粋に楽しかったよね。曽利組ならではの部分も多々ありつつ。VFXとか、グリーンバックでガッと撮るというのも。最後の8人そろって戦う場面から僕らはインしているんです。8人対大人数での立ち回りで、ドギマギした感じであの感じを出しているんですけど、逆にそれで仲がめちゃくちゃ深まった」と振り返ると、松岡は「殺陣だからいろんなところに目を配りながらやっていました。それが初日だったので、周りともコミュニケーションをとらないといけないし、仲良くなりました。楽しかったです」と同調した。
さらに、舞台あいさつの後半には【実】パートで滝沢馬琴を演じた役所と葛飾北斎役の内野からの、登壇のキャスト陣は「本当に知らなかった」というサプライズコメント映像が公開された。
役所が「八犬士はアクションも撮影も本当に大変だったと思います。ウン十年前は僕も内野君もあのくらいの動きはできたんですけどね。今はちょっと難しくなりました」と自虐を言えば、内野は「いや、私は今でもやりますよ!」とツッコミを入れるなど、おちゃめなやりとりも交えつつ、日本映画界が誇る名優から若き後輩俳優陣への温かい言葉があふれたビデオメッセージに、渡邊らはうれしそうな表情を浮かべた。
【虚】【実】パートはそれぞれ別で撮影していたが、終盤では一緒に撮影する場面も。藤岡は「馬琴さんの所に八犬士が行って、っていうシーンがみんなで一緒に芝居をする唯一のシーンだったんですけど、(役所が)すごく和ませてくれました。ダジャレとかクイズとか本番始まる直前まで出してくれて、『考えておいてね、この後答えを聞くから』ってニヤニヤしてくれて(笑)。その感じで接してくれたから僕らも緊張せずに(いられた)」と回顧すると、渡邊も「本当にいい笑顔を引き出していただいたなと。(自分たちの声など)音が使われてないからこそ『本番ヨーイ!』で、カチンコが鳴った後にクイズを出して歩き始めるんですよ。『これな~んだ?』って」と当時を思い出し、笑顔に。
実はそれも曽利監督の“演出”の一環だったらしく、「役所さんには『八犬士を笑わせてください』って。困ってましたけど、満面の笑顔だったんで(笑)。役所さんはクイズを出しながらしっかり自分の芝居をしていてすごいなと」と打ち明けると、渡邊は「本当にいい笑顔を引き出していただいて。ただ、こんなことを言ったら申し訳ないんですけど、クイズの内容は本当にくだらなかったです(笑)」と暴露し、鈴木も「それが最高でしたね」とうなずくと、渡邊は「一番この世代の男子が盛り上がれるクイズでした、ってことだけをお伝えしておきます」と具体的には言わず、いろいろと匂わせて締めくくった。
◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)