内田有紀が誕生日迎える デビューから32年“奇跡の美しさ”と磨き続けた演技 “準備フェチ”ぶりは声優担当したマーベル作品でも発揮

2024/11/16 06:10 配信

ドラマ 映画 コラム

“準備フェチ”へと変化した役作り


「この作品があったから、この先もプロとして仕事をしていきたい、女優という仕事に本気で身も心も捧げたいって思えるようになりました」と語った転機。キャリアを積み重ねる中で、気付きによって得るものは大きい。

同じインタビューでは、「日常の生活の中に、演じているその役柄を取り込んで『その役だったらどんなふうに日々生活するだろう』っていうのを常に切り離さないように生きる」という役作りに変わったとも。「役作りしている時、めちゃくちゃ楽しいんですよ。準備フェチです」と明かしたが、それは声優を務めるマーベル映画「アントマン」シリーズ(すべてディズニープラスで配信中)の3作目「アントマン&ワスプ:クアントマニア」(2023年)の完成披露イベントに登壇したときのトークで通ずるものがあった。

内田はアントマンの相棒・ワスプの吹替えをしているのだが、担当するにあたり何度も頭の中でシミュレーションしたあまり「今作でもワスプを演じさせていただいております」とあいさつしてしまい、「(吹替声優ではなく実際に)出ている気分になっています」と自分でツッコんだ。それほど吹替えの役作りに励んだということ。さらには作品に登場するマーベル史上最大の脅威といわれるカーンについてもアントマンの声を担当した木内秀信が驚くほどの知識を披露。出演作に対する“準備フェチ”はいまも健在のようで、声優もしっくりなじんでいる。

「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)シリーズでの主人公・未知子(米倉涼子)の相棒ともいえる敏腕麻酔科医・城之内博美は当たり役の一つで、2024年12月6日(金)公開の「劇場版ドクターX」がファイナルということで少々寂しい気もする。けれども、たくさんの作品で存在感を放ち続けている。

連続テレビ小説「まんぷく」(2018年、NHK総合)での主人公の優しい姉役で、早くに亡くなった際にはSNSで「寂しい」「悲しい」「ロス」と騒然となったほどの反響に。そして「最後から二番目の恋」の中井と再共演した「華麗なる一族」(2021年、WOWOWプライム)では愛人ながら一族の閨閥(けいばつ)で力を発揮する野心的な女性を見せたかと思えば、デビュー作以来の木村拓哉との共演も話題になった「未来への10カウント」(2022年、テレビ朝日系)での校長、「君の花になる」(2022年、TBS系)での“鉄眼鏡”とのあだ名があるクールで無愛想なボーイズグループのマネジャーと、美しさはそのままに多彩な役をこなす。

「燕は戻ってこない」(2024年、NHK総合)では代理出産を依頼する妻の苦しみの感情を深くまとった演技で「東京ドラマアウォード2024」の助演女優賞を見事に受賞した。次に“準備”万端でどんなキャラクターを見せてくれるのか、楽しみだ。

◆文=ザテレビジョンシネマ部

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