日向亘、初座長としての意識 世代もバラバラな共演者と「濱津隆之さん検定=通称“ハマケン”で盛り上がりました」

「デスゲームで待ってる」にて主演を務める日向亘にインタビューを実施。撮影=山田健史

テレビ業界で干された放送作家が“デスゲーム業界”に入り、かつての恨みを晴らしていく復讐劇「デスゲームで待ってる」(毎週木曜深夜0:25-0:55、関西テレビ)。今回WEBザテレビジョンでは、そんなデスゲーム業界に飛び込み、復讐を果たしていく主人公・戸村匠真を演じる日向亘にインタビューを実施。主演としての心持ちや、共演者との現場エピソードをたっぷり語ってもらった。

ファンタジーだけど生っぽい。ぶっ飛んだ設定とリアリティ感の絶妙な塩梅に「これは絶対に面白い作品になる」


――ドラマ『デスゲームで待ってる』に出演が決まったときの心情を教えてください。

日向亘(以下、日向):最初に、大方の設定や登場人物を記載したプロットをいただいたのですが、その時点ですごく面白いなと思いました。デスゲームを題材にした作品はいろいろありますが、その“裏側”を描くというのは新鮮。でも確かにテレビ業界だって裏で働いている人がたくさんいるのだから、デスゲーム業界だって働いている人がいないと成立しないよな…と思って。そこから僕の中の興味がグンッと上がって、どういう脚本になるんだろうとすごく楽しみになったのを覚えています。

――では、実際に脚本を読んでいかがでしたか?

日向:ヨーロッパ企画さん特有の、と言いますか……設定はぶっ飛んでいるんですが、そのぶっ飛んでいるところと、リアリティなところの塩梅がすごく絶妙だなと思いました。そもそもデスゲームを題材にしている時点でファンタジー要素が強いじゃないですか。でもセリフは生っぽいんですよね。「来週までにこれ作っておいて」とか「クライアントからこんな話が来てて…」とか(笑)。それを読んで「そうだよな、デスゲームを作る人も、そういう話するよな」ってリアルに感じられて。これは絶対に面白い作品になるなと確信しました。

――演じる戸村という人物を、どのように捉え、どのように演じましたか?

日向:まず今作の登場人物って、全員が少し普通ではないじゃないですか(笑)。パワハラしていたり、ゴマをすっていたり。デスゲーム制作会社「ドリーミア」の人たちはそもそもデスゲームを制作しているという時点で普通じゃない(笑)。そう考えたら、一番普通なのが戸村なんです。そして、戸村は視聴者の目線にも一番近い。戸村が視聴者の目線になっていることで没入感のある作品になっているとも思ったので、フラットでいるということはすごく意識しました。それこそ戸村以外の登場人物は、ベテランのキャストさんたちが、一癖も二癖もつけて、個性豊かに演じているので、僕はそれを受ける。僕が戸村を普通の人として演じて受けることで、周りの人たちが少し変わっているように見える、ということを常に頭に入れていました。

――“フラットに受ける”というのは難しかったですか?

日向:難しかったです。僕はこれまで、大人に噛みついたり、自分から何かをふっかけたりする役が多かったので。それがスムーズにできたのは、受ける方たちが吹っかけやすいようにアシストしてくださっていたんだと、今回改めて感じました。受けるお芝居ってこんなに難しいんだなと…。

――側から見ると、戸村と日向さんはどちらかというと反対のキャラクターなのかなと思うのですが、ご自身では似ていると思うところはありますか?

日向:最初のほうの戸村は内気で、確かに僕とは遠いように思えるんですが、ドリーミアの人たちと出会ってからの戸村は、意外と僕と近いのかなと思います。そもそも戸村も僕も好きなことを仕事にしているんですよね。テレビが大好きで「いつか自分で番組を作りたい」という夢を持ってテレビ業界に飛び込んだ戸村、同じくテレビが好きで、かつ昔から人に何かを披露することが好きで、芸能界に飛び込んだ僕。そんな共通点もあって、戸村がプライドを持って出した企画が粗末に扱われて腹立たしくなる気持ちなどは容易に想像できました。

日向亘撮影=山田健史