そんな中、七叶が行方不明になる。皆で大探しをする中、静が院内の人気の無い場所で、1人でお菓子を食べながら漫画を読む七叶を発見。子供に対しても丁寧な敬語で接し、気持ちに寄り添う静に、七叶は卓球は好きだが、自分優先しすぎる母親がその言動のせいで周りに嫌われるのがつらいと話し、「助けてくれたのに、ありがとうも言えないお母さんは嫌い」と打ち明けた。
だが、これまで母に自分の思いを伝えたことがないと言う七叶。静は「勇気を持って、“気持ちを伝えるサーブ”を打ってみませんか?」と、卓球になぞらえてアドバイスし、彼女は勇気を出すことにする。そして、七叶は先程静が母親に怒った時の「変な喋り方」は何なのかと尋ねた。静は「広島弁」と説明し、「わしにとっちゃ、言いたいこと言いやすくての」と、話すのだった。
時を同じくして、歩が七叶の応急処置をした際に手伝ってくれた通りすがりの看護師・八木めぐみ(若村麻由美)が「七叶の母親を呼んでほしい」と、ナースステーションを訪れていた。めぐみは自身の病気の為に来院したところ、偶然会った七叶に、母のせいで窮地に陥っている歩を助けてほしい、と頼まれたのだ。
歩も交えた席で、めぐみは「歩が処置しなかったら七叶は助からなかった」と美里に説明。それでもまだ、歩に頼まれて言わされていると疑う彼女に、めぐみは頼んだのは七叶だと告げ、七叶とのやりとりの内容を伝えた。
娘のことだけを思って必死でやってきたのに、そのことで娘が心を痛めていたと知り、大きなショックを受ける美里。卓球が嫌いだと言い出したのも自分のせいなのかと取り乱す美里に、先程の静と七叶との会話を陰から聴いていた歩は「卓球もお母さんのことも嫌いになんてなっていない。七叶の話を聞いてあげてほしい」と語りかけ、美里は心境に変化が表れた表情を見せた。
静に連れられて美里が待つナースステーションに戻ってきた七叶は、静に促されて思いを伝えるために母に向かって歩き出した。が、そのまま母をスルーして「歩くん!」と呼びかけた。そして、「わし、歩くんが好きじゃ!結婚を前提にわしと付き合ってくれ!じゃ」と、キラキラした目で歩を見つめながら言った。七叶は、ハンサムで優しい歩のことが好きになっていたのだ。“気持ちを伝えるサーブ”は、母ではなく歩に打ち込まれた。
あまりに想定外な展開に、歩はもちろんその場に居た全員があ然。皆が見守る中、歩は「いや…無理だよ」とバッサリ。笑顔から一転、「どうして?」と泣きべその彼女に「子供だからね。無理に決まってるでしょ」と元も子もないことを言い出し、「子供が大人を好きとか、ただの勘違いだから」と告げて、七叶を号泣させる始末。
“失恋”して大泣きする娘を抱きしめながら、美里は歩に今までの非礼を詫びて感謝を伝え、七叶をなだめながら病室に戻っていった。七叶が去った後、吉子(安達祐実)は「デリカシーの無さ、さく裂してたね」と歩を腐し、静も「患者さんを傷つけるなんてナース失格」と彼をとがめた。「じゃあ、どうしろって言うんですか!」と逆ギレする歩。本当に何がいけなかったのか分かってないようだ。悪気が無く傷つける…本当に始末が悪い。
こんな歩に対して、視聴者もSNSで「これはアカン」「歩くん、そーゆーとこ!」「血も涙も無い(笑)」「稀に見る最低な返答(笑)」と、ダメ出しの嵐だった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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