岡田将生と中井貴一が“クセ強ナース”を演じる痛快医療ヒューマンドラマ「ザ・トラベルナース」(毎週木曜夜9:00-9:54、第8話は夜9:00-10:00、テレビ朝日系)の12月12日放送の第8話で、歩(岡田)と静(中井)が考え方の違いから仲たがい。これまではぶつかるたびに、「けんかするほど仲がいい」「痴話げんか」と、ナース仲間や視聴者たちにほほ笑ましく受け止められていたが、今回は歩が寮を出てしまう事態となり、かなり深刻そうだ。(以下、ネタバレを含みます)
本作は、手術の際に医師を補助し一定の医療行為を実施できる「NP(=ナース・プラクティショナー)」の那須田歩と謎多きスーパーナースの九鬼静のクセ強看護師コンビが、“患者ファースト”の精神で医療現場を改革していく物語のシーズン2。
トラベルナース(人手不足の病院や施設にて期間限定で働くフリーランスの看護師)である彼らの今シーズンの勤務先は、基幹病院である「西東京総合病院」。同病院では、新院長・薬師丸(山崎育三郎)が働き方改革を中心とした組織変革に次々と着手。現場の状況より自分の理想を優先して強引に改革を進める薬師丸に、静と歩は闘いを挑んでいく。
今回の静と歩の仲たがいの発端は、すい臓がんステージ3の患者・八木めぐみ(若村麻由美)が入院してきた事だ。彼女は、1年半前までこの西東京総合病院で働いていた看護師。当時、院長になる前の薬師丸から、ミスで患者を死なせてしまった責任を身代わりになってかぶってくれ、と土下座で懇願されて承諾し、病院を去った人物だ。
めぐみは自分が犠牲となって薬師丸の医師人生を守った事で、彼が院長となり「患者も医師も看護師も、誰も見捨てない」との約束を守って、良い病院にしてくれたと信じ「命を預けるのは先生しか居ない」と、薬師丸を頼ってやって来たのだ。
めぐみの病状は、優秀な外科医である薬師丸でも手術できるか分からないほど深刻だった。が、歩がアメリカでの勤務時に同じ症例に立ち会った事があり、その時の術式を提案。「危険度が高い」と難色を示す医師たちに、これが唯一の方法だと歩は力説し、自分が手術に入れば力になれる、と自信も見せた。執刀する事になる薬師丸は「検討する」と言い、歩にも手伝ってもらうと告げた。
薬師丸は、先日、歩が救命措置をした際に患者を骨折させてしまった時に「医師と同じ事ができると思われては困る。あなたは所詮ナース」と、NPの彼のプライドを傷つけたが、今回の積極的な提案や発言から、歩を“自分の改革に最もふさわしいブレーン”と判断したようだ。
料亭に歩を呼び出し、「自分を取り巻く環境に納得していない那須田さんに、シンパシーを感じている」と告げ、病院だけでなく医療界も改革するつもりでいる事、ひいては日本のNP制度も変えられるかもしれない、と語った。そして、「トラベルナースを卒業しませんか?」と、契約金の欄が空白の契約書を渡した。自分の価値は自分で決めて良いというわけだ。歩は「考える時間をください」と言って、その契約書をひとまず受け取った。
薬師丸は、西東京総合病院を“災害拠点病院”にしたくて、指定を受ける口利きを政治家の灰原(大和田伸也)に頼んでいた。灰原は“クリーンな政治家”とは言い難く、近々出る“公職選挙法違反疑惑”の記事のほとぼりが冷めるまで、“人間ドック”の名目で入院させろ、と薬師丸に頼み、彼は重症の患者を大部屋に押しやって灰原に個室を用意した。
ワガママでセクハラざんまいの灰原にナースたちは辟易(へきえき)。看護部長の塔子(寺島しのぶ)は薬師丸にクレームを訴え、彼は「私から話します」と言ったが数日たっても改善されなかった。それだけでなく、薬師丸は、異状がなかった灰原のドックの結果を改ざんして入院を長引かせる指示を担当医師に出す始末。“指定”をもらうまでは灰原の機嫌を損なうわけにはいかないのだ。
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